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フジ『科捜研の男』船越英一郎と錦戸亮の“感動の友情物語”に…想定外の展開に感涙

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『トレース ~科捜研の男~』公式サイトより

 関ジャニ∞・錦戸亮が主演を務める連続テレビドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)の第9話が4日に放送され、平均視聴率は前回と同じ9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。

 このドラマは、陰惨な過去を持つ科捜研法医研究員・真野礼二(錦戸)が、現場に残された痕跡をもとに事件の真相に迫るサスペンス。新人の法医研究員・沢口ノンナを新木優子が、捜査一課のベテラン刑事・虎丸良平を船越英一郎が演じる。

 今回は、刑期を終えて出所した元犯罪者が事件に巻き込まれるというストーリー。虎丸がかつて逮捕した富樫康太(和田正人)は刑期を終え、昔の約束通り彼女の家を訪ねるが、そこで目にしたのは血を流して死んでいる彼女の姿だった。動転した富樫はそのまま現場から逃げ出してしまうが、目撃証言や指紋などから犯人と疑われ、警察に追われることに。富樫がまじめに更生しようとしていたことを知る虎丸は、なんとか彼を助けようと真野に協力を依頼する――という展開だった。

 ただ、ここで毎回書いているようだが、このドラマを見続けてきた視聴者には潜在的な不満が高まっている。それは、縦軸となるべき「武蔵野一家殺人事件」の解明がさっぱり進まないことだ。真野の兄が自分以外の家族を殺した末に自殺したとされるこの事件は彼の心に深く影を落としており、ドラマ自体の結末も「真野が真相を突き止めて真犯人(もしくは黒幕)と対決する」というものになるだろうというのが大方の予想だ。だが、ここのところずっとこの縦軸の物語は進展しておらず、視聴者も肩透かしを食わされた状態になっている。

 前述の通り、今回も一話完結ストーリーが展開されたため、視聴者の間には失望が流れた。ところが、第9話はこれまでとは一味違っていた。一話完結のエピソードの中に、縦軸とリンクするような台詞や展開を織り込んできたのだ。

 なかでも、電話口で「恵まれて生きてきたやつに俺の苦しみがわかってたまるかよ」といらだつ富樫に、「俺も同じだ」と真野が語り掛けたシーンは胸に訴えるものがあった。目にうっすらと涙をためながら「俺も昔大切な人を失った。真相はいまだにわからない。知りたくてもどうにもならない」と、苦しい胸の内を打ち明ける真野。

 真野の言葉を疑う富樫に、虎丸が横から「彼の言っていることは本当だ」と口をはさむ。真野はうるんだ目でまっすぐに虎丸を見つめ、一瞬泣きそうな表情を浮かべた。真野は今まで、自分の過去を周囲に隠してきた。だが、虎丸は密かに事件の記録や戸籍を調べ、真野が事件の生き残りであることを突き止めたのだ。

 真野と虎丸の関係が悪ければ、これは余計なお世話である。だが、ふたりは仕事を通して互いが信頼できる存在であることに気付き、認め合うようになっていた。だからこそ、真野は「ようやく理解者を得られた」という気持ちになり、思わず泣き顔を浮かべたのだろう。

 「警察を信用しない」という真野のスタンスは、警察上層部への反骨精神たっぷりな虎丸のそれと相性が良い。「武蔵野一家殺人事件」の真相解明において、虎丸が強力な味方となってくれることを予感させる回だったといえよう。おまけに、これまでは真野を変人扱いしがちだった科捜研のメンバーたちも、やたらと協力的になって結束してきた。最終盤に向けてのお膳立ては整ったというところだろう。

 予告映像や公式サイトでの次回予告により、第10話となる来週が最終回ではなく、さらにもう一話あることも判明した。最後に上手に風呂敷をたたんで、視聴者をうならせてほしい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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