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藤野光太郎「平成検証」改正水道法の急所(2)

【水道民営化】安倍政権、自治体・議会の承認なしで運営権売却&料金値上げ可能に

文=藤野光太郎/ジャーナリスト
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「利用料金は、実施方針に従い、公共施設等運営権者が定めるものとする。この場合において、公共施設等運営権者は、あらかじめ、当該利用料金を公共施設等の管理者等に届け出なければならない」

 ところが、新PFI法にはその第23条に、次のような規定が第3項として追加挿入されている。

「……前項の規定により定められた…(略)…利用料金に関する事項に適合し、かつ、当該公共施設等の利用料金を当該公の施設に係る同法第244条の2第8項の場合における利用料金として定めることが同条第9項の条例の定めるところに適合するときは、当該公共施設等の利用料金を当該公の施設に係る同条第8項の場合における利用料金として定めることについては、同条第9項後段の規定は、適用しない」

 前述のように、地方自治法第244条の2第9項の「後段」には、「指定管理者は、あらかじめ当該利用料金について当該普通地方公共団体の承認を受けなければならない」と書かれている。この部分の規定を「適用しない」ということは、つまり、水道料金についても「自治体の承認」は不要ということだ。

 しかし、承認ナシの届け出だけで運営権者の料金改定が可能だとしても、その値上げ額が大きければ世論の反発は必至だ。そうなれば立場上、自治体もマスコミも傍観するわけにはいかない。当然、大幅値上げには法制度上の根拠や必然性が求められる。

 そうした事態になれば契約後の事業運営に支障をきたすであろうことを、「運営権」狙いの民間企業も想定していた。それは、コンセッション契約が滞ってきた理由のひとつでもある。なんとしても水道コンセッションを推進したい政府は、これを解消しなければ先に進めなかったのである。

 つまり、水道コンセッション事業を全国で広めるためには、新PFI法だけではまだ不十分だったのだ。それでは、何をどうしたか。その鍵は、地方自治法と新PFI法ではなく、「改正水道法」の条文そのものに潜んでいる。

 次回で、その仕掛けをえぐり出す。
(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

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