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片田珠美「精神科女医のたわごと」

小室圭さん、父親と祖父母が自殺との報道…「自殺の家族歴」と「自殺行動の危険因子」

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自殺の家族歴

 以上のことから、小室さんの父親も祖父母も少なくともうつ状態だった可能性が高い。この点で、小室さんは自殺の家族歴を抱えているといえる。なぜならば、WHOは、先ほど紹介した文書の中で、「全ての自殺が遺伝と関連しているわけではなく、遺伝性を決定付けるような研究にも但し書きがある」として「自殺は遺伝する」という俗説を正しながらも、同時に「しかしながら自殺の家族歴は、特にうつ病が多発する家族においては自殺行動の重要な危険因子のひとつとなる」と述べているからである。

 自殺の家族歴は、精神医学では喪失体験や苦痛な体験、経済問題や精神疾患などと並んで自殺の危険因子(自殺につながりやすい因子)とみなされる。しかも、小室さんの場合、司法試験に合格できないとか、破談になるという喪失体験に直面する可能性がまったくないわけではない。そのため、自殺の防御因子(自殺を防ぐ因子)を人一倍増やすことを心がけるべきだろう。

 防御因子になるのは、良好な対人関係、支援してくれる人の存在、信頼できる人に相談できることなどである。小室さんがニューヨークで困ったことがあったら相談できる良き友人に恵まれ、支援を受けられるよう、切に願う。
(文=片田珠美/精神科医)

(注)もっとも、「自殺企図者や既遂者は、すべて精神疾患を患っている」という俗説は誤りであるとして、WHOは「自殺予防 -カウンセラーのための手引き」の中で次のように述べている。

「自殺行動は、破壊的行動、攻撃的行動に加えて、うつ病や物質乱用、統合失調症や他の精神疾患と関連付けられている。しかしながら、この関連性は過度に評価されるべきではない。これらのそれぞれの精神疾患の相対比率は場所ごとに多様性があり、精神疾患が明白でない事例もある」

参考文献
WHO 「自殺予防 -カウンセラーのための手引き」河西千秋・平安良雄監訳、横浜市立大学医学部精神医学教室、2007年

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