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日本人の“日本酒離れ”が深刻…国内出荷量が3分の1に激減した理由

文=山田 稔/ジャーナリスト
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 このデータを基に、15年の国勢調査の成人人口データから、1人当たりの清酒消費量を弾き出した。そのベスト5は以下のとおり。
(1)新潟県 11.18リットル
(2)秋田県 9.68リットル
(3)山形県 7.79リットル
(4)福島県 7.51リットル
(5)石川県 7.40リットル

 トップ5の県は、いずれも日本酒づくりが盛んな地域だ。越乃寒梅、高清水、十四代、飛露喜、菊姫など、それぞれの県の有名な酒の銘柄がすぐに浮かんでくる。6位以下は富山県、長野県、島根県、福井県、岩手県と続く。西日本で上位10県に入ったのは島根県のみ。東高西低がクッキリ浮かぶ。全国平均は5.05リットル。総消費量トップの東京都は5.97リットルだった。

IWC2018の日本酒部門で最優秀に選ばれたのは福島県の「奥の松」

 1984年に始まった世界的なワインコンペ「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」(IWC)では、2007年から「SAKE」部門が設けられている。18年の日本酒の最優秀賞「チャンピオン・サケ」に選ばれたのは、「奥の松 あだたら吟醸」(福島県・奥の松酒造)だった。SAKE部門の9カテゴリー(純米酒の部、純米吟醸酒の部、純米大吟醸酒の部、本醸造酒の部、吟醸酒の部、大吟醸の部、古酒の部、スパークリングの部、普通酒の部)に1639銘柄が出展。審査員がブラインド・テイスティングで審査した。

 9カテゴリーで97銘柄が金メダルに選ばれ、吟醸酒の部で金メダルに選ばれた「奥の松」が「チャンピオン・サケ」に輝いた。

 ちなみに、歴代の「チャンピオン・サケ」はどんな銘柄か。17年は「南部美人 特別純米」(岩手県・南部美人)、16年は「出羽桜 出羽の里 純米」(山形県・出羽桜酒造)、15年は「会津ほまれ 播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒」(福島県・ほまれ酒造)。この数年、東北の蔵元が立て続けにチャンピオンになっている。

 筆者は最近、都内のスーパーで「奥の松」を見かけ、購入して飲んでみた。華やかな香りと辛口のすっきり爽やかな風味は、常温で楽しむのにピッタリだった。日本酒の酒蔵は国内に1500以上あり、全国各地でうまい酒づくりが続いている。いい酒、うまい酒が増え、それが認知されていけば、減り続けている国内出荷、消費にも歯止めがかかる日が来るだろう。
(文=山田 稔/ジャーナリスト)

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