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角川春樹、77歳にして最強ボクサーを目指す! “不死鳥”が描く驚愕の出版、映画ビジネスの未来

取材・文=長野辰次/写真=尾藤能暢
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生涯現役宣言

蘇える角川映画

——『笑う警官』の公開時に「150万人動員できなければ、映画製作は辞める」と公言され、その約束を守って10年がたちました。映画への想いも語っていただければと思います。

角川 映画はまたやります。昨年の創立記念パーティーで話しただけで、まだ配給会社も決まっていない状況ですが、製作準備を進めているところです。

——ハルキ文庫でシリーズ化され、380万部のベストセラーとなっている髙田郁の時代小説『みをつくし料理帖』の映画化でしょうか?

角川 そうです。何度かドラマ放送はされたんですが、キャストを一新したかたちで映画化します。原作の中に「食は人の天なり」という言葉があるように、単なるグルメものではない人間ドラマとして映画化するつもりです。『みをつくし料理帖』は、すでにテレビ朝日とNHKで二度ドラマ化され、知名度はぐんと上がっている。映画の完成までにさらに人気を高めた上で公開します。今回はハズすことは絶対できないので、慎重に戦略を練っているところです。メインキャラは澪と野江の2人いるのですが、それ以外はこれまで私が手掛けてきた映画に出演してきた俳優たちで固めるオールスターキャストを考えています。監督は私がやります。

——往年の角川映画の人気キャストが結集すれば、大変な話題になりますね。

角川 これもボクシングを始めた成果です。映画を監督するのは、大変な体力を要します。うちの女房が私に最後の監督作を撮らせようと、ボクシングを勧めたわけです。ボクシングを始めることで、肉体を鍛え直し、もう一度映画監督にも挑戦してみようという気になったんです。ボクシングもそうだし、編集者としてもそう。もう一度、映画もやります。すべてのジャンルにおいて、最年長の現役でありたいんです(笑)。

 2011年に6度目の結婚をしている角川氏。40歳年下の奥さまから勧められて始めたボクシングで、すっかり気力と体力を取り戻したようだ。ラウンドを重ねるにつれ、ステップは軽やかに、パンチは鋭さを増していく。かつての角川映画は、鳳凰のロゴがオープニングを飾っていたことを思い出した。リング上で精力的に動く角川氏が、鳳凰ならぬ不死鳥のように思えた。
(取材・文=長野辰次/写真=尾藤能暢)

●角川春樹(かどかわ・はるき)
1942年富山県生まれ。角川春樹事務所社長兼会長。角川書店の社長時代に『犬神家の一族』(76)を皮切りに次々と映画を製作し、低迷期にあった日本映画界を支えた。草刈正雄主演作『汚れた英雄』(82)で監督デビュー。その他の監督作として原田知世主演作『愛情物語』(84)、時代劇大作『天と地と』(90)、北海道警汚職事件を題材にした『笑う警官』(09)などがある。

※取材協力
「戸髙秀樹ボクシングジム STUDIO Bee」
http://boxing-gym.jp/

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