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LINEショッピング、日本人の買い物&金融の“入口”化…アマゾンすら“出店”する理由

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 LINEのショッピングアプリは、リアルとネットの融合がどのようなものかを理解するための良い材料だ。LINEのショッピング機能には、楽天やアマゾン、ヤフーショッピングなど、多くのオンラインショッピングのプラットフォーマーが加盟している。それに加え、家電小売りやアパレル関連企業も、商品を掲載している。さながら、SNSのアプリケーション上に、さまざまなネット企業や小売り企業が出店し、市場(イチバ)がひらかれているような印象を持つ。

 さらに、LINEショッピングは実店舗での買い物にも対応している。具体的には、 “SHOPPING GO”の機能を使い、ポイントを獲得することができる。これは、消費者の行動をデータとして捕捉し、これまでには知られていなかった私たちの消費行動の発見につながる可能性がある。

 その背景には、社会におけるSNSの存在感が無視できなくなってきたことがある。特に、10代から30代の人々にとって、スマートフォンを使うこと、イコール、SNSを使うことと事実上同義だ。多くの若者にとって、SNS抜きの生活は考えられないだろう。それほどまでに、スマートフォン上でメッセージをやり取りするテクノロジーが社会に浸透している。

ネットビジネスの拡大と変革

 SNSの登場は、ネットビジネスを変化させている。従来、EC(電子商取引)企業や小売り企業は、消費者の好みや使いやすさに合ったネットショッピングサイトの開発に注力してきた。それは、より多くの消費者の支持を獲得し、収益を増やすために必要なことと考えられてきた。今なお、その考え方を持つ企業は多いだろう。

 ただ、米玩具大手トイザらス(Toys“R”Us)がネットへの対応に失敗したように、ネットショッピング事業の強化のためにIT関連の投資を増やしたからといって、売り上げが増える保証はない。今日のネットショッピングの成否を分けた一つの要因は、どれだけ早く経営者がネットワークテクノロジーの革新性に気づくことができたか否かではないか。アマゾンの成長はそのよい例だ。

 強いてアマゾンの課題を挙げるとすれば、人々の行動に影響を与えるようなメッセージサービスがないことだろう。この部分を補うために、アマゾンはLINEショッピングに加盟し、ネット空間における“動線(人々の動く経路)”の確保を重視している。ネット空間における動線の確保とは、より多くの人に選ばれるようにする仕組みと考えればよい。

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