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維新の会・立候補予定のシングルマザー、無償で保育園利用&豪華タワマン生活

文=深笛義也/ライター
維新の会・立候補予定のシングルマザー、無償で保育園利用&豪華タワマン生活の画像1末本さおり氏のTwitterアカウントより(編集部にて一部加工)

 4月の統一地方選挙を控えて、立候補予定者の動きが活発になっている。

 末本さおり氏は、日本維新の会から横浜市会議員選挙へ立候補する予定。本人のツイッターでは、選挙区の横浜市旭区で連日、笑顔で市民に自らの政策を訴える活動が紹介されている。“2人のお子さんを育てながらがんばる、シングルマザー”――。黄緑色のウインドブレーカーを着た姿からは、質素で清廉なイメージが伝わってくる。

 だが、かつては彼女を応援しようとしていたという人物は、こう語る。

「頭のてっぺんから足の先まで、全身エルメスをまとったド派手な格好でパーティに現れたんです。その時に持っていたエルメスのキャリーバッグは、180万円はするものだとブランドに詳しい人から聞きました」

 それだけなら、多面性を持つ女性ということで通るかもしれない。

 彼女のお子さんの一人は、旭区の認可保育園に通っているが、その保育料は全額免除となっている。末本氏が「B1市民税非課税ひとり親世帯等」の階層に区分されているからだ。市民税が非課税の場合、この区分となる。末本氏は、地方税法295条に定める「寡婦」と認定されていると思われるので、市民税が非課税となるのは、前年の合計所得金額が125万円以下、給与所得のみなら給与収入が204万4000円未満の場合である。この制度の適用によって、彼女は子どもを無料で保育園に預けているのだ。

 日本維新の会発行の「日本維新」号外(2018年11月1日発行)には、「旭区・市会議員選挙の公認候補予定者に末本さおりさんを決定!!」と大きく書かれている。末本氏のプロフィールを見ると、スノーボードハーフパイプの選手として活躍、ネイルサロン経営、ハワイウェディング会社経営などの華々しい経歴とともに、衆議院議員串田誠一公設第二秘書と書かれている。平成30年11月版の「国会議員要覧」(国政情報センター)にも、串田議員の公設第二秘書として「末本さおり」と記されている。

 公設秘書の給与は「国会議員の秘書の給与等に関する法律」によって定められている。経験や能力によって違うが、公設第二秘書の場合、最低でも月額26万7500円、最高で39万3000円となる。公設秘書の給与は国から支払われ、身分は国家公務員特別職。いうまでもなく給与は税金から出ている。

 月額26万7500円で計算したとしても、年で321万円。無料でこどもを保育園に通わせることのできる給与収入「204万4000円未満」を大きく上回っている。

 彼女の住居は、私鉄駅に直結する29階建てのタワーマンションにある。不動産情報を見てみると、購入価格は3000万円から8000万円に上り、賃貸料は月20万円以上である。月20万円だとして年に240万円。「年収204万4000円未満」で、どうやって払うことができるのか。

「自分なりに努力してきたんです」

 当人はこれをどう説明するのか。末本さおり事務所として記された番号に電話すると、本人につながった。会話中、「どうして私の携帯番号を知ってるんですか?」と問われて驚いた。確かに番号は080から始まっており、携帯電話だ。「どうして私の住まいを知ってるんですか?」とも聞かれたが、それも事務所の所在地として載っている。

 末本氏の政策の1つは「かくれ待機児童である保留児童をゼロに!」である。国会議員の公設秘書をしていながら、保育料全額免除で保育園を利用していることについて、末本氏は答えた。

「去年の申請なので……。去年は私、3月までほとんど収入がなかったんですよ。それは税理士さんに任せてたんですね。来年は保育料がかかってくる認識はしています。私、転々と無認可の保育園を渡り歩いてきたんですよ。離婚もしてますし、収入が不安定だったりとか、自分の事業もうまくいかなかったとか、いろんな背景があって、お伝えできないところもたくさんあるんですけど、苦労はしてたんですね。周りの方は理解できない部分もあるかもしれないですけれど、自分なりに努力してきたんです」

 保育園の責任者に話をすると、驚きの声とともに、こんな言葉が返ってきた。

「保育料の全額免除というのは、区役所が決めることなのでわかりませんけど、収入があるのなら保育料を支払うべきではないでしょうか」

 末本氏のホームページにある「皆様とお約束」は次の3点だ。

1.政務活動費の領収書をホームページで公開します。
2.議員年金復活に反対いたします。
3.議員報酬を2割カットいたします。

 末本氏は、透明性のあるクリーンな政治を目指しているようである。
(文=深笛義也/ライター)

深笛義也/ライター

深笛義也/ライター

1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。10代後半から20代後半まで、現地に居住するなどして、成田空港反対闘争を支援。30代からライターになる。ノンフィクションも多数執筆している。

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