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伸びない英語学習。時間とお金をかける前に知るべき「本当に効果的な学び方」とは

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※画像:『英語学習2.0』(KADOKAWA刊)

 英語を上達させたいと思うときはどんなときだろうか? 海外旅行をするため。転職で有利になるから。ビジネスで使うから。英語が話せるようになって自慢したい。外国人の友人をつくりたい。海外で仕事がしたい。

 しかし、いざ勉強を始めても、なかなか英語力が思うように上達しない。それは一体なぜなのか。

■世の中にあふれる学習法に飛びついても英語は上達しない

 英語コーチングプログラム「PROGRIT(プログリット)」を運営する株式会社GRITの代表取締役社長・岡田祥吾氏は、その原因について「英語学習の手段(How)が整備されすぎたが故に、かえって自分に合う学習法が何なのかがわからなくなっている」と指摘する。

 岡田氏は大学卒業後、マッキンゼー&カンパニーに入社し、海外企業の日本市場戦略立案などに携わった。しかし、その中で自身の英語力の低さを痛感。週に一度、英会話教室に通うも上達せず、様々な勉強法を試しながら、英語力を上げるたった一つの「メソッド」に辿り着いた。

 「メソッド」といっても、「とにかく単語だけを覚える」「英会話教室に通う」「上達はシャドーイングがカギ」というような個々の学習法にフォーカスするものではない。

 岡田氏に言わせればそれはどれも「正しい」学習法。ただし、自分が抱えている課題を解決するという目的に合わなければ、「無駄になる」学習法でもある。

 英語学習とひと口に言っても実際にはその領域は広く、様々な分野がある。当然人によって克服すべき課題は異なるはずだ。課題を見つけ、クリアしていく。それを繰り返し、PDCAを回していく。この学習のサイクルは極めて普遍的な考え方だが、ブームの学習法や世の中にあふれる学習法に飛びついてしまうのが人の性とも言えるところなのだろう。

 岡田氏はマッキンゼー時代のコンサルティングの手法を英語学習に応用した。それが「PROGRIT(プログリット)」であり、そのエッセンスを『英語学習2.0』(KADOKAWA刊)という一冊の本にまとめた。

■週1のオンライン英会話だけでは上達しない

 『英語学習2.0』を読むと、これまでの自分の英語学習の甘さを痛感させられるかもしれない。岡田氏は手軽に短時間で英語は上達しない、という事実を科学的な見地をもって突き付ける。

 ここでは本書から、英語学習にまつわる「3つのよくある思い込み」を紹介しよう。

◇1.海外の映画を何度も観ることが英語力アップにつながる

 英語ができる人に「どうしたら英語ができるようになるの?」と聞くと、「海外の映画を観るのがおすすめ」と言われることがあるはず。岡田氏はこの回答について「ウソではない」としながら、「すべての人に当てはまる最高の学習法というわけでもありません」と答える。

 そのポイントは、「どんなインプットが英語学習には最適なのか?」ということ。
これに対しとある研究者は、「自分の能力で理解可能なものよりも少しむずかしいレベル(i+1と表現)」が最も良いという結果を発表している。また、別の研究者は「i」もしくは「i-1」と言っている。つまり、インプットをする際には、自分がギリギリ理解できるレベルがちょうど学習に効果的だということになる。

 これは、英語が分からない人がいきなり海外の映画を何回も観ても、インプットの意味をほとんどなさないということ。自分のレベルにあった英語から触れることが英語力の向上につながるのだ。

◇2.1日10分でもいいから毎日コツコツと英語に触れることが大切だ

 毎日コツコツと英語に触れることはもちろん大切なこと。しかし、「1日10分」では英語は全く上達しない。

 むしろ岡田氏は、「短期集中」で毎日に行うことが重要だと述べる。1日10分でコツコツとなると圧倒的に勉強時間が少ないため、結果が出てくる前にモチベーションが保てなくなる。英語学習の「モチベーションの維持」は短期集中の方がしやすいのだ。

 本書では「英語力の伸び=学習生産性×投下時間」と定義されている。学習生産性を高め、勉強の投下時間を最大化することが英語力向上の唯一の方程式となる。

 まずは、自分に合った勉強法、自分に必要な勉強を重点的に行うこと。そして、理想はまず3カ月間、毎日3時間の学習を続け、一定の成功体験を積むことが大事だと岡田氏は指摘する。

 もしかしたら、3カ月を3時間というのは少し無理があると思うかもしれない。しかし、「3カ月」は私たちにとって何かと縁がある数字。企業の決算などで使われる「四半期」や、季節も3カ月区切り。1年は長すぎる、1カ月だと短すぎる。人間にとって「3カ月」が一つのことに集中できる、ちょうどいい長さなのだろう。

◇3.一気に英会話ができるようになる勉強法はない

 実はこれだけ「正しい思い込み」である。

 本書では「英会話の5ステップ」として、英会話をしているときの人間の脳の働きを科学的に5つのステップに分解している。この5つのステップはリスニングとスピーキングの2つのグループに分けられ、リスニングは「音声知覚」と「意味理解」の2つのステップ、スピーキングは「概念化」「文章化」「音声化」の3つのステップとなる。

 実はこの5つのステップはそれぞれ別の学習法が必要になる。単語や文法を知っていても音声をきちんと聞きとれなければ、意味理解のステップに進むことはできない。自分はどのステップに課題を抱えているのかを把握し、適切な学習法を選んでいくことが必要なのだ。

 ◇

 「これをやれば上達する」という文句に踊らされがちな英語学習だが、岡田氏の指摘を読むと、そんな魔法のような学習方法がないことは容易に理解できるはずだ。その上でどうすればいいのか。自分の課題はどこにあるのかを探す手助けをしてくれるのが本書である。

 個別の課題に対してどのような本がおすすめかについても余すことなく教えてくれる岡田氏。英語学習を一歩先に進めることができる一冊だ。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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