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山崎元裕「超・クルマ論」

トヨタ新型「スープラ」徹底解剖…今、世界一ホット&エキサイティングな車の全貌

文=山崎元裕/フリーランス・モータージャーナリスト
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トヨタ新型「スープラ」徹底解剖…今、世界一ホット&エキサイティングな車の全貌の画像1トヨタ・新型スープラ(「トヨタ HP」より)

 極寒の1月に開催されるのは今年が最後となる、北米国際自動車ショー(NAIAS=デトロイト・モーター・ショー)。そのホールで、今回メディアからもっとも熱い視線を集めていたニューモデルの一台が、トヨタ自動車の新型「スープラ」だった。

 先代スープラの販売が中止されたのが2002年。そのキャッチコピーは「The Sports Of TOYOTA」と過激だったが、17年ぶりのデビューとなるニューモデルもまた、そのコンセプトに「Condensed Extreme L6 FR “TOYOTA” Sports」(過激さを凝縮した、トヨタの直列6気筒FRスポーツ)と、きわめてストレートな表現で、このクルマのキャラクターをアピールする。

 新型スープラは、ドイツのBMW社との共同開発となった。現在では新型車の開発コストを低く抑えるために、複数社による共同開発は珍しいことではなく、例えばトヨタの86とスバルのBRZも、両社が共同で開発し、そして生産している。ちなみに新型スープラは、トヨタのスポーツモデル専用ブランドであるGRの専売モデルとなることから、正確にはそのネーミングはトヨタGRスープラとされ、生産はオーストリアのマグナ・シュタイヤーが担当する計画となっている。

 そのコンセプトどおりに、新型スープラのボディーは、スポーツカーとして実にエキサイティングな造形にまとめられている。新型スープラには日本仕様ではまず2タイプのエンジンが搭載される予定だが、それらは2998ccの直列6気筒と1998ccの直列4気筒で、いずれもツインスクロールターボ付き。前後方向のサイズが大きな直列6気筒エンジンを搭載するために、ボディーデザインは当然のことながらロングノーズ、そしてショートキャビンというスタイルを採用しなければならない。だが、スープラの場合はさらにフロントウインドウのグラフィックで、視覚的にロングノーズスタイルを強調している。

 同様にヘッドライトとテールランプのデザインは、前後の強い絞り込みや、フェンダーのグラマラスなスタイルを印象付ける重要な要素。ダブルバブルルーフから、あの2000GTの姿を思い出す人は、相当に熱狂的なトヨタ車のファンといってもよいだろうか。

“趣味のためだけにあるのではない玩具”

 デザインには賛否両論が渦巻くが、個人的にはそれは、あればあるほどよいものだと思う。新しいものを提案する時には、とかくネガティブな意見が主流となるものだが、デビューから少しの時間が経てば、このデザインは間違いなく新型スープラの独自のデザインとして違和感を抱かれないものになるだろう。

 インテリアのデザインもうまくまとめている。8.8インチサイズのTFTディスプレイに大型フルカラーアップディスプレイ。ドライバー中心のコックピットレイアウトを見れば、誰もがそのエンジンをスタートしたくなる。

 搭載されるエンジンは、2998ccの直列6気筒ターボと1998ccの直列4気筒ターボだと前で紹介した。実際には前者はRZグレードの専用エンジンで、後者はSZ-RとSZの両グレードに搭載されるものだ。組み合わせられるミッションはいずれも8速スポーツAT。最高出力&最大トルクは6気筒が340ps&500Nm、4気筒は2つのチューニングがあり、SZ-R用は258ps&400Nm、SZ用は197ps&320Nmと発表されている。

 ボディー剛性やサスペンションの仕上がりも、その開発にBMWが関係していることを考えれば大いに期待できるところ。ちなみにスープラのBMW版となるのはオープンスポーツのZ4。トヨタとしてもGRの名を掲げたこの新型スープラのフットワークには、相当な自信を持っているはずだ。

 サスペンションはフロントがダブルジョイントスプリングストラット、リアがマルチリンク式。RZとSZ-Rではアダプティブバリアブルサスペンションなどの先進的なデバイスも搭載される。

 スープラの復活で、日本のスポーツカー市場はさらに活気あるものになるだろうか。かつてスポーツカーを買えなかった世代の方々にとっては、“ちょっと高いけれども、趣味のためだけにあるのではない玩具”。日本市場での発売は今年の春。とりあえず、このような家庭内プレゼン用の理由を考えてみるのも悪くはない。
(文=山崎元裕/フリーランス・モータージャーナリスト)

山崎元裕/フリーランス・モータージャーナリスト

山崎元裕/フリーランス・モータージャーナリスト

1963年生まれ。青山学院大学卒。大学に在学している頃から、なぜか日本の広報試乗会をウロついていたスーパーカー命の男。でも日本が誇る工業製品、軽自動車も意外に好きだったりする。
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