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小林敦志「自動車大激変!」

トヨタ新型「クラウン」大ヒットは本当か?実質値引きなど異例の積極営業に透ける焦り

文=小林敦志/フリー編集記者
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 また、ハイヤーや社有車としても多く販売しているので、そのようなフリートユーザーの定期的な代替えも見込める。それらも考えると、新規ユーザー獲得に躍起になっているようにも見える今回の動きが、個人的には気になって仕方ない。“メルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズがライバル”とし、よりオーナードライバーズカーの色合いを深めたキャラクターとなった新型なので、“新しいクラウンユーザーを獲得したい”という動きの表れなのかもしれないが、筆者から見ると“販売台数確保への焦り”というものもやはり感じてしまう。

新型クラウンのプロモーションに抱く違和感

 クラウンは1999年に登場した11代目から「ロイヤルサルーン」と「アスリート」の2系統体制を先代の14代目まで続けてきたが、今回の15代目では2系統体制をやめている。ある業界事情通は「今まで馴染んできた2系統体制がなくなり、特に歴代ユーザーは新型クラウンの車種体系把握ができず、それもあり、代替えがなかなか進んでいないようだ」と語ってくれた。

 歴史の長いモデルだけに、そしてセールスマンとも長い付き合いなので、歴代ユーザーが「いつもの感じのやつ持ってこい」と言えば、セールスマンがそのお客の嗜好などを理解しているので、支払い条件も含めて“ドンピシャ”な見積書を持っていき、そのまま契約となる、そんなケースも過去には目立っていた。そして、トヨタはクラウン以外でもそのような売り方ができる販売力を持っているからこそ、日本国内で圧倒的な販売シェアを維持し続けてきた。しかし、ロイヤルサルーンもアスリートもなくなった現行型では、そのような商売がかなり難しくなってしまったようなのである。

 先代でも当初は設定がないかもしれないともいわれていたパトカーについて、結果的に先代210系ベースのパトカーは設定され、すでに多くが日々活躍しているが、現行型はそのスタイリングからも、すでにパトカーの設定はないことが前提で開発されたとの話も聞く(先頃デビューした新型「レガシィセダン」ベースがその代わりに登場するのではともいわれている)。それだけオーナードライバーズカーとしてのキャラクターを強めているので、バリエーション体系も一新し、販売プロモーションも今までにないものを採用しているだけともいえるが、やはり筆者の中の違和感はなかなか消えないでいる。

小林敦志/フリー編集記者

小林敦志/フリー編集記者

1967年北海道生まれ。新車ディーラーのセールスマンを社会人スタートとし、その後新車購入情報誌編集長などを経て2011年よりフリーとなる。

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