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NHK、森友問題を追及する野党が間違っているかのように報道…共謀事業者の反論を根拠に

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 しかし、藤原工業の説明に立ち会った野党議員によれば、深さを意識したり、資料はミスなく作成したという話は、説明会の時には説明されず、回答書で初めて記載されていたという。つまり「発言内容の一部のみ」「引用」し、「まったく異なった内容としている」という事実はなかったのである。

 そもそも、森友学園の試掘作業が行われていた2016年の前年、15年7月から11月にかけては、森友学園から工事を請負った中道組株式会社が土壌改良工事を行い、除染に加え、3mより浅い部分の埋設ごみを撤去していた。その撤去量は、約953トンと産廃マニフェストでも報告され、その代金1億3000万円の支払いは国が約束していた。

 そのため、埋設ごみは3m以深(=より深い)から掘り出された「新たな埋設ごみ」であるかが問われていた。もし3mより浅いところから出た埋設ごみを理由に国が代金を支払ったり、値引きすれば、中道組(株)への支払いに加え、二重払いとなり、会計検査院からチェックを受けることになった。回答書に書かれた「深さを意識する」というのは、埋設ごみが3m以深の位置にあることを示す必要があったということである。

 藤原工業は、回答書では、「資料作成の時には」「深さは意識し」「作成した」と回答しているが、実際に試掘写真資料で撮影された写真を見ると、試掘穴の深さを示すメジャーの数値をみても、3mを超えるものはない。メジャーは、白、黄、白と1mごとに色を変え、一目で長さがわかるものであった。写真資料を見る限り、「深さを意識し」3m以深であることを確認し、作成はしていなかった。

「21枚写真資料」の写真NO1~NO3の説明書きでは、穴の深さ「-4000」と書かれており、写真NO3の「工事掲示板」の「深さは3m」とは矛盾している。

 また21枚写真資料の「説明」を見ても、写真NO1~NO3の3枚を除き、すべて穴の深さは1~3mまでの深さであった。試掘穴は全部で8カ所あり、それぞれの穴ごとに複数枚の写真が撮られ、その数は写真NO1からNO21まであった。資料は、ページごとに写真とそれを説明する「説明」の部分に分かれ、写真NO1~NO3は、同じ「試掘穴1」を撮ったものであり、説明書きには穴の深さが「4m(-4000)」と記載されていたが、撮影写真(写真NO3)に示された工事写真の掲示板には「深さ3m」と大きく表記されていた(写真3参照)

 21枚写真資料の「写真」では、3m以深のものはないのに、説明書きには1カ所だけ4mと書かれているという矛盾について、国会での議員の質問に対し、国交省は写真の掲示板の「深さ3m」という記載は、未経験な社員が行ったミスだと説明している。しかし、写真やそこに写された掲示板は、その時の工事の様子を示すものであり、掲示板に記載されている日時や場所、工事内容、施工業者名などは、工事実績を示す根拠となる。写真に撮影されていることと違った内容を記載し、その証拠を示すことなく写真に写っていたほうが間違いだという説明は、日本国内のみならず、世界でも通用しない非常識である。

 つまり、藤原工業社長の「資料作成の時には」「深さは意識し」「作成した」という回答書での発言は、虚偽の説明であるということができる。この藤原工業の社長の「(野党は)私の発言の一部のみを取り上げて」いるという発言に基づき、NHK報道したことは、明らかに真実を歪めている。

 本報告でも見たように、2月27日の国会での川内博史衆議院議員の質問によって、国(国交省)は写真偽装が行われていたことを国会で初めて認めた。国が8億円の値引きの根拠としていた写真資料の偽装を認めたという事実は、森友問題の核心点の後戻りできないゲートが開かれた瞬間である。

 森友問題の解決に大きく踏み出したこの写真偽装問題で、NHKがその追及を進める野党を根拠のない中傷で攻撃した。「ペンは剣よりも強し」という言葉があるが、ペンの力で権力や武力に対抗するというのが、報道機関やジャーナリストの役割である。しかしNHKによる野党への根拠を欠いた中傷報道は、そのペンを使って権力に立ち向かおうとする者を落とし込める攻撃であるといえる。放送テロともいえる許されない蛮行であり、反省を求めるものである。
(文=青木泰/環境ジャーナリスト)

※1:NHK「森友学園問題 立民・共産の議員の発言に工事業者反論」報道の内容(以下、引用)
<森友学園への国有地売却をめぐり、立憲民主党と共産党の議員が、現場を試掘して報告書を作成した工事業者から説明を受けたあとに発言した内容について、工事業者は「正確に引用されておらず、まったく異なる意味内容となっている」などと反論しました。森友学園への国有地売却をめぐって、立憲民主党と共産党の国会議員は先月、ごみが埋まっていた現場を試掘し、報告書を作成した工事業者から説明を受けました。そして、説明を聞いた両党の議員は、野党側のヒアリングで、「工事業者は『報告書は若い社員がいいかげんに作ったもので、深さを意識してつくったものではない』などと話していた」と述べました。これに関連して、工事業者が参議院予算委員会の理事懇談会の求めに応じて弁護士を通じて回答した資料が4日、提出され、この中で工事業者は「私の説明した発言内容が正確に引用されておらず、発言の一部のみを引用し、都合よく発言内容を合体したため、まったく異なる意味内容となっている」などと反論しました>

※2:2019年(平成31年)1月30日、ごみの試掘業者から、国土交通省大阪航空局 航空部 補償課長 平田良二氏宛の回答文書で、参議院予算委員会理事懇談会に2月4日に提出、発表されたものである。

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