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「破産者マップ」は違法…高圧的な削除申請手順に「消してほしかったらカネ払え」の匂い

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馬場貞幸弁護士の見解

 法律事務所エイチームの馬場貞幸弁護士は、違法となる可能性があると指摘する。

「破産者マップの件は、(1)名誉権の侵害(名誉棄損)により違法ではないか、(2)プライバシー権の侵害にあたり違法ではないか、(3)個人情報保護法に反し違法ではないか、という3点がまず問題になると考えています。

(1)と(2)については、確かに、破産者の情報は官報にすでに載っており公知、かつ一定の公共性がある情報ではあります。しかし、公知性と公共性は、たとえばメディアに取り上げられた重大犯罪に関する情報等と比べれば、はるかに薄いといえますし、何より特に地方に住んでおり引越し等が容易ではない破産者にとっては、社会生活上又は私生活上の受忍限度を超える重大な支障が直ちに生じる事案として、違法といえるのではないかと考えています。

(3)については、すでに公開されている官報から個人情報を取ってくることが個人情報の取得にあたるのかとか、それを可視化してインターネットユーザーによりアクセスしやすくすることが第三者提供にあたるのか、すなわちただちに個人情報保護法の適用があるのかといった多様な問題があります。

 ただ、最大の問題点と考えられるのは、削除を希望する者は削除申請フォームから申請できれば対応するという仕組みを設けているところ、当該フォームに入力すべき情報が極めて詳細、かつ破産に至った経緯など申請に不要と考えられる情報も含まれていることです。 いわゆる『オプトアウト』と呼ばれる仕組みを導入しており、一見すれば個人情報にも配慮しているようにみえて、邪推ではありますが、このフォームに記入された情報が新たな個人情報として悪用される危険性があるのではないか、という点が非常に気になります」(馬場弁護士)

山岸純弁護士の見解

 弁護士法人ALG&Associates執行役員の山岸純弁護士は、破産者マップは違法だと断言する。

「勝手に他人の破産情報をインターネット上に掲載した場合、名誉毀損を理由とする民事上の不法行為責任(民法709条)を負う可能性があります。この場合、数十万円から百数十万円の損害賠償義務を負うことになります。

 これに対し、官報に掲載され、公の情報として知られているのであれば、名誉毀損には該当しないという意見もあるかもしれません。しかし、名誉毀損は、『真実』を広めた場合であっても成立することがあるのです。

 もっとも、その事実の公表が、公益目的があり、かつ公共性がある場合には、この表現の違法性が阻却されると考えられています。この場合、不法行為責任も、刑法上の名誉毀損罪(刑法230条)も成立しません。

 今回の『破産者マップ』ですが、『破産した』という事実は、たとえ真実であったとしても、その方がどこに住んでいるという表現は、はたして公益目的や公共性があるでしょうか。

 政治家や有名な経営者であれば別ですが、一般人が破産したという情報に公共性があるとは思えません。さらに、『この一般人は破産しています』と公表することに公益性があるとは到底思えません。

 結局、『消してほしかったら、カネ払え』などという“匂い”がしてきます。というわけで、これはアウトです」(山岸弁護士)

 このように、一度は官報に掲載されて国民の誰もが知り得る情報となったとはいえ、個人情報をネット上で公開することは違法となる可能性が高いといえるだろう。
(文=編集部)

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