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廣済堂へ旧村上ファンドが敵対的TOBか…“ドル箱”火葬場ビジネスに影響の可能性も

文=編集部
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現在は「葬祭会社」

 廣済堂の18年4~12月期の連結決算の売上高は前年同期比0.9%増の260億5700万円、営業利益は同24.5%増の13億1300万円、純利益は同98.5%減の4400万円。前年同期に計上した不動産売却益がなくなり、大幅な最終減益となった。

 廣済堂の事業セグメントは「情報」「葬祭」「その他」の3つからなる。創業事業の印刷は、出版、人材とともに「情報」として括られている。

 稼ぎ頭は「葬祭」だ。18年4~12月期の「情報」の売り上げは196億6500万円、セグメント利益は1億9100万円の赤字(前年同期も2億7700万円の赤字)。

 これに対して「葬祭」の売り上げは63億8100万円。セグメント利益は19億1300万円。全社の営業利益は13億1300万円だから、「葬祭」が「情報」の赤字を補塡し、本社の経費も賄って、なおかつ営業利益を生み出しているということだ。

 実態は葬祭会社なのである。火葬場は公営が普通だが、廣済堂は子会社の東京博善で都内6カ所(町屋、四ッ木、落合、堀ノ内、桐ヶ谷、代々幡)の6つの斎場を運営している。東京23区で亡くなった人の7割以上の火葬を取り扱うガリバーなのだ。

 東京博善は1984年、櫻井文雄氏が筆頭株主となり、85年に会長に就任。94年、廣済堂が6割の株式を握り、子会社に組み入れた。

 葬祭場は安定した収益を上げる。一方、主力の印刷事業は書類の電子化の影響で業績の低迷から抜け出せない。そこで廣済堂をいったん非上場にして、印刷事業の構造改革に乗り出すため、MBOによるTOBを打ち出した。これに旧村上ファンドのレノが待ったをかけたという構図だ。

 廣済堂は3月8日、TOBの買い付け価格を610円から700円に引き上げた。その一方で、買い付け株数の下限は1660万9000株(発行済み株式の66.7%)から1245万6800株(同50%)に引き下げ、3月12日までだった買い付け期間を25日まで延長した。「今後はTOB価格を一切変更しない」としているが、3月8日の廣済堂の株価は高値723円、終値は717円(6円高)と、TOB価格を上回っている。

 TOBが不成立になれば、仕切り直しは必至。ベインキャピタル=廣済堂経営陣とレノの間で、TOB価格の引き上げをめぐり火花を散らすことになる。
(文=編集部)

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