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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

レオパレス問題やバイトテロで認識、企業存続のためには「従業員満足」が重要

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季

――それを野放しにしておくと、不満がたまって仕事に誇りを持てなくなると。

有馬 そうですね。顧客満足度において、「満足は全体から」「不満は部分から」感じやすいと以前解説しましたが、従業員の仕事に対する満足度も同じことがいえます。部分的な不満でも、それによって仕事に対する意識が低下すると、なかには“バイトテロ”のような行動を起こす人物も現れてきます。その結果、企業イメージを大きく損なってしまうわけです。

「今だけ、金だけ、自分だけ」主義が蔓延する現代社会

――失墜したブランドイメージといえば、最近ではレオパレス21の騒動もありました。

有馬 これはレオパレス21が持つ多くの物件に大規模な施工不良があったことで問題となったわけですが、これもそれを指揮した人間にプロ意識がなかったのと同時に、企業の基本理念であるはずの顧客満足よりも、目先の利益を優先した結果なのではないでしょうか。最近は、こういった社会的モラルの低下した会社や組織が非常に増えている印象です。

――ユーザーにガチャを延々と引かせるようなシステムがゲーム業界に蔓延していたり、携帯電話の不要なオプションに強制加入させるキャリアがあったりと、大手企業の顧客を騙すような構造も珍しくありません。

有馬 はい。ですが、そのような「今だけ、金だけ、自分だけ」といった感覚が企業全体に浸透してしまうと、不祥事につながるリスクは飛躍的に上がってしまいます。きれいごとに聞こえるかもしれませんが、企業が存在する第一の意義は社会貢献であることを、管理者を含めた働く人間がもう一度再認識しなくてはいけない時期にきているのかもしれませんね。

――ありがとうございました。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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