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カラスをたずねて三千里「日本カラス紀行」第3回

“カラス不毛の地”大阪に大量の生息地発見!大阪市立長居公園“もぎり取られた枝”の怪奇

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閑散としている、大丈夫か?


 新幹線が停まる新大阪駅から、地下鉄と徒歩で40分ほど。大阪の中心地から少し外れた場所にある「大阪市立長居公園」は、とにかく広い。東京ドーム約13個分の敷地の中に、セレッソ大阪のホームスタジアムである「ヤンマースタジアム長居」をはじめとした各種球技場、プールに相撲場、植物園、自然史博物館など、レクリエーション施設をギフトボックス詰め合わせにしたかのような総合公園だった。

 大阪に住む先輩ライターIさんに、長居公園の印象を聞いたところ、「わたしはほとんど行ったことがないけど、友人が近くに住んでいてしょっちゅうジョギングをしているよ」とのこと。

 人が集まるところに、カラスあり。イベント時ともなれば屋台なども出るだろうし、これは期待が持てるぞ~!と鼻息勇ましく、北側のヤンマースタジアムゾーンから乗り込んだのだったが……。一瞬で不安になる。


 閑散としているのだ。人間も鳥も。この日は、年末の12月27日。人間さまは、仕事納めや大掃除で忙しく、公園なんかでのほほんとくつろいでいる場合じゃないのかもしれない。エサが少なきゃ、カラスもいないかも。寒いし風も強いし、日を改めるべきたっだかもと少し悔いたが、とにかく先に進む。このために片道3時間以上もかけてきたんだ。退路は断たれたも同然だ。

長居公園の全体像。スタジアムは公園の北側にある。
とりあえず公園を反時計回りに半周し、緑の多そうな「郷土の森」ゾーンを目指すことにした。

 スポーツ施設ゾーンを抜けたところで、「クワァー、クワァー」と2〜3羽のカラスが、追い越していった。耳を澄ますと、その先で聞こえる聞こえる、カラスたちの呼び交わす声が。

米粒みたいな小ささだが、空に3羽のシルエットが確認できる。

声に導かれるままに、足を速めると……

 コンビニ発見。「カラスいる指数」1ポイントUP。その前を、胸元にゼッケンをつけた男の子たちが競って走り抜ける。応援していた女の子に聞くと、神戸にある大学の駅伝サークル主催の大会なのだとか。そちらは駅伝、こちらはカラス観察。お互い「いい試合」ができるといいですね。

カラス的「いま食べるべき公園グルメ」

フレッシュな若人のご利益か、噴水の手前の植え込みで、ついに私はたどりついたのだ。カラスという天使の戯れるオアシスに! 


 みなさんそろってハシブトガラス【編註】だ。さぁて、何羽いるでしょう?
(正解:3羽、ひょっとしたら4羽)

【編註】クチバシが太いのが「ハシブトガラス」、細いのが「ハシボソガラス」。愛好家は「ブト」「ボソ」と呼んでいます。詳しい違いは、wezzy版の第1話を見てね!


 このあたりは、売店や自動販売機、ベンチもあって、人々の憩いの場となっている。昼どきだったこともあって、コンビニのパンをかじる作業着姿のおじさん、子連れのママ、デート中と思しきカップルなどが思い思いの時間を過ごしている。

 さっきの駅伝大学生も広場でくつろぐ人もカラスにほとんど注目しないが、その裏ではカラスも同じ空間で冬の晴れの日を謳歌している。まるで両者の世界が、2つのレイヤーに分かれているみたいだ。

 木の上で待機していたハシブトの一団は、まるで順番が決まっているかのように交替で地面に降り立ち、落ち葉をかき分けて何かを捜索している。



 何やら、黒い小さな実のようだ。箸で豆をつまむように、そっとクチバシで挟んだ。うれしそうにファサっと翼を鳴らして、枝に飛び乗る。



 周辺には同じような黒い実が鈴なりだった。ひとつちぎって口に含んでみると、ミントのような清涼感と、ハーブのような香りとちょっとした苦味。日常生活で食べたことのない味だ。

 どうやらカラスのお気に入りのようだ。もしカラスの世界の雑誌に、「今食べるべき、公園グルメ」特集があったとしたら、ベスト3にはランキングされたであろう。


後から知ったことだが、この正体はクスノキの実。クスノキの樹皮は、タンスの防虫剤として知られる「樟脳」の原料となる。確かにそれっぽい。カラスは自然の防腐剤を食べることで、身体に虫をつかなくしているのだろうか。だとしたら、合理的なナチュラリストだ(まぁ、野生動物はすべて生粋の自然主義者ですけど)。

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