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イオン、“三代目”世襲へ準備着々…創業者の35歳・孫が異例の出世、関連会社社長に就任

文=編集部
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 元也氏の言葉を要約すると、日本産品の安全で高品質という相対的優位性は揺らぎつつある。それにもかかわらず日本の多くの農業生産者やメーカーには、その危機感が乏しい。だから、イオンは自らオーガニック食品の展開を手掛けざるを得ないということだ。

 さらに、プレミアムな冷凍食品で勝負できる時期になったと判断していたからこそ、「フローズン、オーガニックの分野のリーディングカンパニーになる」と高らかに宣言したのである。

 イオングループの冷凍食品の目玉は高級食品ブランド「ピカール」。価格帯は1000円近くと冷凍食品にしては割高だが、フランスでは国民食といわれている。

 元也氏は、次世代の食品スーパーとして立ち上げたオーガニック専門店の1号店店長に尚也氏を据えた。そして今年、尚也氏はビオセボン・ジャポンの社長に就き、経営者としてデビューした。

 日本はオーガニック後進国である。トップを走るのは米国。米国の17年のオーガニックの市場規模は494億ドル(約5.4兆円)。独仏では1兆円規模である。一方、日本の市場規模は欧米より1ケタ小さく、17年には1785億円だった(矢野経済研究所調べ)。

 オーガニック食品は割高なことが普及の足枷になっている。有機野菜は通常の野菜の5割増しが普通だ。

 ビオセボン・ジャポンは、麻布十番店を出店したのを皮切りに、東京都内は中目黒店、外苑西通り店、碑文谷店、東武池袋店、赤坂店、富ヶ谷店、神奈川県内に新百合ヶ丘店、横浜元町店、小田急藤沢店の計10店を展開中。いずれも富裕層や外国人など健康や食の安全を重視する人々が多く住む地域だ。

 イオンはグループ全体で現在15億円の有機野菜の売上高を2020年に100億円に伸ばす目標を掲げる。その中核を担うビオセボン・ジャポンは数年後に国内で50店程度まで店舗網を拡大する。

 オーガニック事業の強化のためにイオンは18年12月、仏ビオセボンに出資した。同社が保有する自社株(19.9%分)を取得し、加工品の共同開発を行うほか店舗運営のノウハウを手に入れる。

 元也氏の思い入れが強いオーガニック事業を尚也氏が担う。普通の野菜と価格競争ができるような商品を常時、コンスタントに供給できるかどうかで勝負が決まるだろう。イオン3代目御曹司の尚也氏は、結果を出すことができるのだろうか。ビオセボン・ジャポンがオーガニック食品のリーディングカンパニーになれば、元也社長後継者の座が視野に入ってくる。
(文=編集部)

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