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杉江弘「機長の目」

北朝鮮の政府専用機=オンボロはデタラメ…日本より安全、米国エアフォースワン並み

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 残念なことに、今年2月末の第2回目の米朝首脳会談がベトナムのダナンで行われると伝わったときにも、ある朝のワイドショーでその理由のひとつとして北朝鮮の政府専用機の航続距離は5000キロで、ダナンなら平壌から約3000キロであるから可能との説明が行われた。2月4日のことである。

 私は当番組のディレクターをはじめ、主なワイドショーや報道番組のディレクターに連絡を取り、場所がベトナムになった根拠に政府専用機の航続距離を持ち出すのは正しくないと説明した。幸い、それ以降は航続距離の話が報道されていないので、やれやれと胸をなでおろしている。

 さて、このイリューシン62Mについて少々補足をしておきたい。

 就航は1967年と古いが、前にも述べたように日本からモスクワまでノンストップで楽々と飛べていたものであるが、さらにこの改良型(北朝鮮の政府専用機と同型)では燃費の良いターボファンエンジンを1970年代に装着、1978年にはアビオニクスも改良している。

 イリューシン62Mの航続距離は1万キロとされているが、それは乗客と貨物を満載した状態での性能で、政府専用機のように要人と最小限の荷物という条件なら、さらに遠くまで飛行できるものなのである。平壌からはスイスはおろか北欧、パリ、ロンドンまでも容易に届くものである。

安全性に問題のあるオンボロ機なのか

 次に一般によく出されることだが、イリューシン62Mが旧ソ連の年代物で危険だから、金氏は中国のジャンボ機や列車を使うという話だ。

 昨年6月のシンガポールでの首脳会談の前には、「北朝鮮は貧乏で新しい飛行機も買えない」「万景峰号で来たほうがいいんじゃないか」などという声がメディアや多くのコメンテーターから出され、ネット上でもあふれていた。

 これも正しくない。北朝鮮にはコリョ航空がハイテク機を運航していて、単に新しい機材を選択するというのであれば、これに乗り換えればよい。しかし、航空通でもある金氏があえてイリューシン62Mにこだわるのは、その安全性である。

 イリューシン62Mはエンジンを4基装備し、航空機関士やナビゲーター(航空士)も搭乗できる仕様になっている。航空機関士はエンジントラブルや火災など機材のトラブルに専門に対処でき、ナビゲーターは仮にGPSなどが不作動となったり、ハッキングされても太陽と星の位置から自機の位置を割り出す天測航法によって目的地まで誘導できる。

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