川端理香「惑わされない! 栄養と食の本質」

流行りの「体に良い油」の罠…太る油の摂り方、太らない油の摂り方

「Gettyimages」より

「カラダに良い油を摂ろう」とか「油で痩せる」などと考え、ココナッツオイルアマニ油、荏胡麻油などを摂っていませんか?

 かつては、油はとにかく体にマイナスで、摂ると体重が増えるとか、生活習慣病の原因になるなどということから避けられる傾向にありました。

 ところがです。ココナッツオイルがはやった数年前から、油を摂って痩せるということが一般の方にも普及され始めました。「油なのに、摂って痩せるの?」と最初は半信半疑でも、メディアに取り上げられて店舗にあるココナッツオイルの棚が売り切れだったりすると、次に見かけたとき思わず手に取ってしまったりするのではないでしょうか。

 でも残念ながら、ココナッツオイルもブームが去り、継続して摂る人が少ないことをみると、効果を感じなかった人が多かったのだと思います。そしてこのブームが去るとともに、逆にココナッツオイルを摂ることで悪玉コレステロールの増加や、それにともなう心臓や血管の病気が指摘されるようにもなっています。

 また最近は、アマニ油や荏胡麻油、EPAなど、体に良いという油がメディアで頻繁に取り上げられ、どんどん摂るように勧められていたりします。

 でも、どんなに体に良い油でも、すべての油は1g当たり9kcal。高エネルギーというのはかわりません。そこで2回にわたって、油の上手な摂り方についてお話します。

やっぱり油は太る

「これを食べると○kcal」といわれたり、商品にもエネルギー量が表示されていますが、エネルギーはたんぱく質と糖質、脂質の3つの栄養素がどのくらい入っているかで決まります。たんぱく質と糖質は1gが4kcalで、脂質は1g当たり9kcalです。つまり脂質(=油)は、同じ量で比べると2倍のエネルギーなのです。

 だからステーキを食べるとして、脂質の多いサーロインと赤身のヒレでは、エネルギーが2倍もサーロインのほうが高くなるのです(100g当たり:サーロイン498kcal 、ヒレ223kcal)。それから、肉料理の脂身や皮を残すと、それだけで30-40%ものエネルギーをカットすることができます。

 また、てんぷらやとんかつなどの揚げ物の衣も、はがすことで多くのエネルギーをカットできますが、からあげの衣ははがしてもあまりエネルギーはかわりません。それよりも、揚げ物の場合は肉か魚かで油の吸収が変わることを覚えておきましょう。実は、魚のほうが油をよく吸うのです。ですので、揚げ物を食べるときに「魚のほうが肉よりも低脂肪だから」というイメージで選んでしまうと、より高エネルギーになってしまうことがあるのです。

川端理香/管理栄養士

昭和女子大学非常勤講師。2004年アテネオリンピック「VICTORY PROJECT」チーフ管理栄養士、08年北京オリンピック委員会強化スタッフ。JリーグやVリーグ、プロ野球、プロゴルフ、ラグビーなど多くのトップアスリートをサポート。著書多数。一般を対象にした講演などの食育活動や執筆、レシピ開発、企業の栄養アドバイザーも務める。


川端理香オフィシャルブログ

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