中古車、“高め”の日産・エクストレイルやトヨタ・ヴォクシーに人気殺到のワケ

日産の「エクストレイル」

 今年10月に控えた消費税率引き上げを前に、中古車市場でも駆け込み需要が高まっているという。中古車情報メディア「カーセンサー」(リクルートマーケティングパートナーズ)のデータによると、200~300万円の人気車種を中心にユーザーの購買意欲が活発化しているというのだ。

 なぜ、このタイミングで高めの中古車購入を検討する層が増えているのか。また、人気を集めているクルマは何か。リクルート自動車総研所長兼カーセンサー編集長の西村泰宏氏に話を聞いた。

消費増税前に人気が高まっている中古車とは

――消費増税を前に、中古車市場にどのような変化がありますか。

西村泰宏氏(以下、西村) 今年1月の中古車物件への問い合わせ数は前年同月比で21%増加しました。前回の消費増税時(2014年4月)にも一定の駆け込み需要があり、そもそもクルマの商戦期は毎年1~3月なので、今年1月から消費増税を見据えたユーザーの動きが活発になっているといえます。

 価格帯別(~100万円以内、100~200万円、200~300万円、300~400万円、400万円以上)で見ると、問い合わせ数の増加率がもっとも高かったのは200~300万円(29%増)でした。中古車の平均購入価格帯は120.9万円なので、平均よりも高いクルマの購入を検討する層が早めに動き始めていることがわかります。

 もともと中古車はコストパフォーマンスが購入の決め手になることが多いのですが、増税により負担が増すのであれば、その前に少しでも安く買いたいというインセンティブが働いているのだと思います。

西村泰宏氏
――200~300万円の価格帯のなかでも、特に問い合わせが多かった車種はなんでしょうか。

西村 1位は日産「エクストレイル」(問い合わせ数67%増)、2位はトヨタ「ヴォクシー」(同36%増)、3位はトヨタ「プリウス」(同51%増)となっています。新車販売でも人気のクルマが注目を集め、平均より100万円ほど高いクルマへの購買意欲が高まっています。

 また、問い合わせが多かった車種トップ10をボディタイプ別に見ると、ミニバンが5種、クロカン/SUVが3種となっており、問い合わせをいただいたユーザーの多くは30~40代の男性でした。ミニバンやクロカン/SUV は人や荷物などの積載性に優れ、ファミリー向けのクルマとして定着しています。

 これらの結果から、消費増税をいち早く意識してクルマの購買意欲を高めているのは、200~300万円の車種を狙う30~40代のファミリー層/父親が中心ではないかという構図が見えてきます。

――そのほかに傾向や特徴などはありますか。

西村 問い合わせ数が多かった車種の4位以下は、ホンダ「ヴェゼル」、日産「セレナ」、三菱「デリカD:5」、トヨタ「ハリアー」、トヨタ「クラウンアスリート」、トヨタ「ハイエースバン」、ホンダ「ステップワゴン」です。トップ10に入ったクルマはいずれも中古車市場で以前から人気で、そのほとんどが問い合わせ数を増加させていることから、人気車種の注目度がさらに高まっていることがわかります。

 また、通常は中古車の価格は時間とともに下がっていきますが、トップ10入りしたセレナ、ハイエースバン、ステップワゴンの平均価格は1年前より上昇しています。同時に、市場での流通量も流通1台あたりの問い合わせ数も増えており、特に需要が高まっている車種といえるでしょう。

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