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梅原淳「たかが鉄道、されど鉄道」

新幹線の乗車券+特急券、変更しやす過ぎるのは問題?あえてJRが損する仕組みの不思議

文=梅原淳/鉄道ジャーナリスト
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長い目で見れば利用客が損

 以上の筆者の意見はJR旅客会社にとって得なものばかりであるので、何か裏があるのではと疑われる方も多いであろう。しかしながら、筆者はこの件でもほかの件でも、JR旅客会社から特段の便宜を受けてこのように発言しているのではない。利用者には一見得な規則でも長い目で見れば結局は損をする可能性が濃厚であるからだ。

 JR北海道やJR四国は深刻な経営不振に陥り、安全を維持するうえで必要な投資もできないとして、国はJR北海道には600億円、JR四国には256億円の合わせて856億円の助成金を投入した。助成金は国庫からではなく、国が出資した独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から支払われているものの、実質的には国民が納めた税金が原資であると考えられる。もちろん、両社への助成金は不可欠かつ緊急の措置であったからやむを得ないかもしれないが、黒字の航空会社ですら採用していないほど鉄道会社にとって不利な旅客営業規則に手を付けていないのでは理解が得られない。

 一方で、経営状況が良好なJR東日本、JR東海、JR西日本にはさらに利益を出してもらう必要がある。多額の法人税などを納めることで、国鉄の残した長期債務の償還を少しでも早めなければならないからだ。

 今年2月8日、国土交通省は国鉄の長期債務の残高を発表した。2017年度末の2018年3月31日現在で17兆2187億円で、同年度中に4383億円を返したという。このペースでいくと完済は2017年度末から39年後の2057年で、気が遠くなるほど先だ。

 国鉄の長期債務は国の一般会計、つまり、国民の納めた税金からまかなわれている。ならば利益を挙げているJR旅客会社にはさらにがんばってもらわなければならない。その際には公平な視点で見て、利潤の追求の妨げとなる旅客営業規則は見直す必要がある。そうでなければ、増税が待っているかもしれないからだ。
(文=梅原淳/鉄道ジャーナリスト)

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