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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

セブンイレブン「24時間営業」破りの店舗オーナーへの同情論は正しいのか?

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季

世間のニーズに応じて変革が迫られるコンビニ業界

――物流システムもそれによって構築されているでしょうし、店によって営業時間や契約が違うと、本部としてはややこしそうですね。

有馬 東大阪南上小阪店の営業時間短縮の件は、契約上では店舗側のルール違反なのです。ロジスティクス(物流)の観点から見ると、コンビニでは全ての加盟店が24時間営業だからしっかりと回っているという現状があります。道路が空いていて店内にお客さんが少ない深夜帯に搬入することでピークタイムにしっかりと商品を陳列できるわけですから、これが崩れてしまうと本部は上質なサービスの提供ができなくなってしまうのです。

――世間は本部のために過酷な労働を強いられるフランチャイズオーナーに同情的な姿勢で、「コンビニは24時間営業である必要がない」との意見も多くあります。

有馬 労働力不足の観点から、現実にコンビニ本部のルールが合わなくなっている側面もあると思います。だとすれば企業としてはそれに対応しなくてはなりません。そもそも朝7時から夜11時まで空いているから「セブンイレブン」という店舗名だったのを、時代のニーズに合わせて24時間営業が拡大し、それに対応できるシステムがつくられました。

 現代は食品ロスによる環境問題や働き方改革について敏感な世の中でもありますから、企業としては今までのような一律の契約ではなく、店舗に合わせた柔軟な契約の締結や、物流を含めてそれに対応可能なシステムをつくらなくてはならない時代に突入したということでしょう。大変かもしれませんが、それが今のコンビニ業界に求められているのです。

――それには店舗側の協力も不可欠ですね。

有馬 はい。単独で小売店が生き残っていくには過酷な時代です。本部と店舗の間で自立的な意見交換や情報共有を定期的に実施して、小売店の必要性と地域社会での存在意義などを改めて広く議論するべき時代に入ったということでしょう。

――ありがとうございました。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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