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深夜ドラマ『向かいのバズる家族』が心に響く理由…『3年A組』との決定的違い

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 このところ深夜ドラマはテレビ東京の独壇場となっていたが、今期は『向かいのバズる家族』(読売テレビ、日本テレビ系)が存在感を見せている。

 当作は、それぞれの事情でバズってしまう家族を描いた異色のホームドラマ。ヒロインのあかり(内田理央)はカフェの美人店長として、母・緋奈子(高岡早紀)はセクシーな料理動画で、父・篤史(木下隆行)はプロデューサーを務めるドラマの炎上で、弟・薪人(那智)はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で正義を振りかざしたことでバズり、それが原因で家族が崩壊してしまう。

 当作が描いているのは、普通の家族が隠し持つ裏の顔と、SNSに潜む怖さ。山田孝之がプロデューサーを務めて話題を集めた映画『デイアンドナイト』や、今月までドラマ『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京系)で監督を務めた藤井道人の手がける映像美もあり、見ごたえ十分の作品となっている。

 SNSをモチーフにしたドラマといえば、先月まで『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)がヒットしたばかりだが、当作との違いはなんなのか? 掘り下げていくと、系列局であるにもかかわらず、読売テレビと日本テレビの違いも浮かび上がってきた。

『バズる』はリアル、『3A』はファンタジー

 ここまでの3話を振り返ると、あかりがバズり、緋奈子が小さくバズり、篤史のドラマが炎上する様子をじっくり描くなど、ドキュメンタリーのようなムードを醸し出している。いずれも、人生や命を左右するほどの大きな出来事ではなく、日常の中で起こり得ることであり、物語のテンポもゆったりしていて、次々に急展開が訪れることはない。

 この点は、「教師が生徒を人質に取る」「爆破や殺人(未遂)を起こす」「主人公が余命わずか」などの非日常的な設定や急展開が持ち味だった『3年A組』とは大きく異なる。『3年A組』はファンタジー、『バズる家族』はリアルを追求してつくられていることがわかるのではないか。

 その意味で『バズる家族』の制作スタンスは『3年A組』と比べると繊細であり、視聴者を大人として扱っている。『3年A組』は劇場型犯罪を軸に据えて視聴者の気持ちを翻弄・誘導し、「SNSへ書き込む前に相手の気持ちを考えよう」という若者向けの結末につなげたが、『バズる家族』は真逆のスタンス。視聴者の気持ちを翻弄・誘導するのではなく、自分に置き換えて考えてもらった上で、「家族、恋人、同僚ら大切な人との絆を描こう」としているのだ。

 たとえるなら、『3年A組』は派手な打ち上げ花火で、『バズる家族』は趣深い線香花火。さらに、その印象は、日本テレビと読売テレビの制作スタンスの違いにも見える。どちらが好きで、どちらが美しいと思うかは人それぞれだが、打ち上げ花火の後に見る線香花火は、はかなさが増す感があり、それは「家族、恋人、同僚などの人間関係のことではないか」と思ってしまう。

 あかりの裏の顔である「ナマハゲチョップ」や、いきなりインド風のミュージカルを披露するなどのシュールな演出なども含め、『バズる家族』はジワジワと心に響くタイプの作品と言えるだろう。

視聴者参加を促す、斬新な仕掛けの数々

『バズる家族』を語る上で、もうひとつ忘れてはいけないのがネット上の仕掛け。番組公式のツイッター、インスタグラム、LINEに加えて、「GYAO!」でチェインストーリーも配信しているが、仕掛けはこれだけにとどまらない。

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