任天堂は中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)と組み、ニンテンドースイッチを中国で販売。世界最大のゲーム市場である中国に再参入するとの報道を受けて、任天堂の株価は急騰したのだ。「ニンテンドースイッチは、中国だけで単年度で数百億円規模のビジネスになる」(証券筋)とみられている。

 マイクロソフトの「X box One X」は、17年11月の発売開始。18年末までの累計販売台数は4000万台を超えたと推計されている。

 ゲーム業界を担当するアナリストは、「任天堂は19年の1年間で、全世界で1730万台のニンテンドースイッチを販売するだろう」と予測する。ソニーのPS4とPS4 Proの予想販売台数1710万台やマイクロソフトのXbox OneとXbox One Xの同1000万台をいずれも上回る。

 ゲーム総合メディア「週刊ファミ通」(KADOKAWA)調べによると、19年1~3月の国内のハードの売り上げのシェアは、ニンテンドースイッチが63.2%と断トツで、PS4の同29.0%を大きく引き離している。

 19年、任天堂が世界のゲーム機の首位に帰り咲くかが注目点だ。

15兆円ゲーム市場の陣取り合戦

 グーグルのゲーム市場への参入は、どんな影響を与えるのか。

 カプコン、スクウェア・エニックス・ホールディングス、バンダイ・ナムコホールディングス、コナミホールディングスなど家庭用ゲームソフト会社にとってはみれば、グーグルの新規参入でソフトの販売先がひとつ増えることになる。これは確かにプラス材料ではあるが、具体的な影響については現時点では予測できないのが実情だ。

 もしスタディアがヒットすれば、価格が高い家庭用ゲーム機は売りにくくなる。ゲーム業界の大変動は避けられない。

 任天堂は比較的安い価格でニンテンドースイッチを売っているため、スタディアとの価格競争に耐えられるとみるアナリストが少なくないようだ。任天堂は自社で優良ソフトを手掛けている強みがある。

 一方、ソニーのPS4は高精細CGをフルに活用した高性能をウリにしているため、価格が高い。次のPS5の事業計画を立てるとき、スタディアの料金体系にどう対応していくかが課題となる。

 さらに、3月25日にはアップルが定額制のゲームサービスを発表した。オランダの調査会社ニューズによると、世界のゲーム市場の規模は18年で15兆円に達し、21年には20兆円になると予測している。

 これまでは、ハード機器を持つソニー、任天堂、マイクロソフトがゲーム業界の3強とされてきた。「脱ハード」を志向するネット界の巨人・グーグルの挑戦で、ゲーム業界に地殻変動が起こるかもしれない。
(文=編集部)

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合

関連記事