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短期集中連載「平成30余年のテレビドラマ史」第3回

朝ドラヒロイン女優は少人数オーディション制…高畑充希や有村架純など脇役から主演起用も

構成=白井月子
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アイドルの「応援商法」は朝ドラではずっと前から行われていた!?

中町教授 朝ドラでは、何があっても最終回まで主人公がひとり(W主演の場合は2人)で引っ張り切るパターンが多いのですが、それも視聴者に見てもらうための“表現技術の開拓”の一種です。とにかく「主人公の人生を見守る」という形。ただの主人公ではなくて、視聴者がにその人を応援したくなるよう、見守りたくなるようにする。いわば、今のアイドルにおける“応援商法”が、朝ドラではずっと前からあったんです。

吉之助 朝ドラのヒロインに新人女優が抜擢されることが多かったのにも、そういった理由があるかもしれませんね。ドラマの中だけでなく、新人女優の成長を見守る楽しみというか……。まあ、とはいえ最近は特に、朝ドラのオーディションを受けるのは基本的にはちゃんと事務所に所属している女優さんたちなので、すでに映画やドラマに出演経験があることも多く、まったくの新人ということはほとんどないですけどね。『あまちゃん』の能年玲奈ちゃんにしろ、『てるてる家族』(2003年)の石原さとみちゃんにしろ、すでに業界やテレビに詳しい人の間では、「いい子がいる」と話題になっていた。

中町教授 ある程度実績のある、“知る人ぞ知る”的な若手女優が朝ドラでブレイクし、その後国民的女優へのステップを進むさまを見守る……というね。最近だと、すでにCMや『こえ恋』(テレビ東京系、2016年)で注目されていた永野芽郁さん(2018年『半分、青い。』主演)や、『表参道高校合唱部!』(TBS系、2015年)で高い評価を得ていた芳根京子さん(2016年『べっぴんさん』主演)などがそうですね。

吉之助 近年では、安定した視聴率を見込める、すでに売れっ子の女優がNHKのオファーでキャスティングされていることも多いですよね。『花子とアン』(2014年)の吉高由里子ちゃん、『ひよっこ』(2017年)の有村架純ちゃん、『まんぷく』(2018年)の安藤サクラちゃん。今放送中の『なつぞら』(2019年)の広瀬すずちゃん、このあとの『スカーレット』(2019年放送予定)の戸田恵梨香ちゃん、『エール』(2020年放送予定)の窪田正孝くんなんかもそうかな。

 でも、どんなに有名人の場合でも、ダイレクトに主演オファーという形は取らずに、なんらかのオーディションや面接をして決定している場合がほとんど。何百人も集めて大々的にオーディションされる……ということはないけど、何人かの候補の中からオーディションや面接を経て選ばれるというパターンは多いですね。

中町教授 これはNHKに限らずですが、その枠や、同じプロデューサー、監督、脚本家のドラマでいい仕事をした人が再度……というのはありますよね。朝ドラでは、ヒロインの家族役や幼馴染役をしていた俳優を、数年後にヒロインに抜擢するというパターンもある。土屋太鳳さん(2014年『花子とアン』でヒロインの妹役→2015年『まれ』ヒロイン)、高畑充希さん(2013年『ごちそうさん』でヒロインの義妹役→2016年『とと姉ちゃん』ヒロイン)、有村架純さん(2013年『あまちゃん』ヒロインの母親の青年期を演じる→2017年『ひよっこ』ヒロイン)などなど。

吉之助 窪田正孝くん(2010年『ゲゲゲの女房』、2014年『花子とアン』でヒロインの幼馴染役→2020年放送予定『エール』主演)もそうですね。

中町教授 『マッサン』(2014年)主演の玉山鉄二さんは、『マッサン』の前にも大河ドラマ『天地人』(2009年)、『八重の桜』(2013年)やNHKの単発ドラマにたくさん出演されてるんですけど、なかでも緒形拳さんと共演した『NHK広島放送局開局80年ドラマ・帽子』というドラマで、ものすごくいいお芝居をされていたんです。そういったところが朝ドラ主演につながっているのかもしれませんね。

吉之助 “お試し”じゃないですけど、たとえ脇役でも、それがどんな大役に繋がっていくかわかりませんからね〜! ぼくも自分の担当するタレントにはどんなチョイ役、どんな仕事でも真摯に取り組むように話していますよ。
(構成=白井月子)

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