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短期集中連載「平成30余年のテレビドラマ史」第4回

『あまちゃん』で追求された“ドラマにしかできないこと”…震災でテレビ局に生まれた覚悟

構成=白井月子
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『あまちゃん』で追求された“ドラマにしかできないこと”…震災でテレビ局に生まれた覚悟の画像3『連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック』(発売:ビクターエンタテインメント)

『あまちゃん』はあの大震災をどう描いたか

吉之助 『あまちゃん』が震災をどう描くか、というのは、放送開始からずっと注目されていましたよね。2008年の岩手を舞台にスタートしたあの明るいドラマが、ドラマの中の“2011年3月11日”が近づくにつれて、「北三陸の人たちはどうなっちゃうの……?」などと、SNSでも大きな話題となっていました。結果、実際の津波や震災時の映像などを使うことなく、東京にいる主人公のアキ(能年玲奈)が、ニュース映像を見ている表情、電車に乗っていたユイ(橋本愛)がトンネルの外を見たときの表情、ドラマの中で使用されていた模型が崩れている様子など、直接的ではなく、でもその恐ろしさが十分に伝わる見事な表現でした。さすが宮藤官九郎だと思いました。

中町教授 クドカンさんの登場は、平成のドラマ史の中ではかなり大きなトピックですよね。視聴率はそんなに高くないドラマも多いのですが。その中でも『あまちゃん』の場合は、「たくさんの視聴者に見てもらわないと意味がない」と、本当にたくさんの要素が詰め込まれていて、その熱量が視聴者に届いたのではないでしょうか。

 また、第3回で“朝ドラ=アイドルの応援商法”というお話をしましたが、ネットやSNSを通じてドラマを応援するという形があんなに盛り上がったのも、『あまちゃん』が最初じゃないでしょうか。もちろんそれまでもありましたけど、あんなふうに“祭り”状態になって盛り上がった朝ドラは、それ以前にはなかなかなかった。SNSでの盛り上がりがドラマ人気に繋がるという、今ではかなり一般的になりつつある状況の礎を築いたドラマだったと思います。

吉之助 宮藤さんは初めての映画脚本が『GO』(2001年、金城一紀原作)だったんですけど、その時点からとんでもなくおもしろいものを書いてました。実際の映画撮影のときにはかなりカットされてましたけど、撮影前の初稿台本は本当に今まで読んだことがないくらいのおもしろさで。あんなにページを読む手が止まらない台本は初めてだった。その後の活躍はみなさんも知っての通りだと思いますが。

 だから『あまちゃん』も、脚本が宮藤さんだと聞いた時点で「そんなの絶対におもしろいでしょ!」と思ってました。だから、しつこいようですけど『いだてん』がおもしろくないわけないんですって!!(笑) 視聴率はイマイチですけど、ぼくは『いだてん』を推し続けますよ〜!
(構成=白井月子)

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