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NHK受信料、携帯所有者も支払い義務化へ…「不払いだと視聴不可」が実現されない理由

文=深笛義也/ライター
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スクランブル放送

「かつては、NHKが視聴者の理解を得て行われる双方の対等な契約である、というような一般通念でずっと来ていました。それがこの10年くらいの間に、法律を盾にとって払わない人には強制的に裁判をして取り立てるという流れが出来ています。その方向を後押ししたんだなという理解をしました。NHKがすべての番組を放送と同時にインターネット配信できるように、今国会で放送法は改正される見通しです。そうすると放送を見るのはテレビ受像機だけではなくなるという、大きな流れがあるわけです。通信も5Gの時代になって、スマートフォンでフルセグが見られる時代になっていく。その時代に、これが設置なのかどうかという争い方はあるとは思いますけど、あまり意味がなくなってくるという気がします」

 実業家、プロデューサーである若新雄純氏は、インターネットテレビ番組『けやきヒルズ』(AbemaTV)で「NHKはお金を払わないと画面が映らないようにして、クレジットカードを登録して料金を払うようにすればいい」と発言して議論を呼んだ。テレビを持っているからといってNHKを見るとは限らない。ワンセグでも同様だ。受信料が話題に上るたびに、見る人だけが払う仕組みにすればいいという声は上がる。

 契約者以外は見られないスクランブル放送は、WOWOWやスターチャンネル、スカパー!が実施している。NHKは在外日本人向け有料テレビ放送である『NHKワールド・プレミアム』で実施している(1日5時間程度はノンスクランブル)。

「テレビだけだったら技術的に可能かもしれませんけど、ワンセグでは無理でしょう。インターネットでも見られるようになると、見ている人と見ていない人の峻別は不可能といっていいんじゃないでしょうか」

 2017年度のNHKの放送受信料の支払率は、全国値で79.7%。NHKの立場に立ってみれば、現状でそれだけの受信料が徴収できているのだから、煩雑な仕組みを設けることもないということになるだろう。

 スクランブルを導入しない理由を「広く視聴者に負担していただく受信料を財源とする公共放送として、特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報や、豊かな文化を育む多様な番組を、いつでも、どこでも、誰にでも分けへだてなく提供する役割を担っています」とNHKは説明している。

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