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30年前の昭和天皇崩御と“平成への代替わり”…長く異常な5カ月間、日本全体が混乱

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 さらに、NHKは24時間報道体制に入り、民放テレビ各局もバラエティ番組の放送を自粛するほか、全国各地で祭などの行事が中止となり、経済的損失が発生する地域や業界も出ました。芸能事務所、吉本興業所属のお笑いタレントが相次ぐ出演キャンセルに見舞われ、同社の業績が下振れするといった事態も起き、ちょっとした話題になることもありました。

 そして昭和64年1月7日午前6時33分に昭和天皇が崩御されると、その約1時間20分後に小渕恵三官房長官(当時)が国民に向けて発表。さらに政府は民間企業と国民に向けて「哀悼の意」を表するよう要望し、証券取引所や大相撲などが中止されました。同日午後には新元号「平成」が発表され、翌8日に施行されました。

 昭和天皇の崩御に関する儀式をめぐっては、「政教分離」の問題が政府の頭を悩ませました。戦後成立した現行の日本国憲法においては政教分離の観点より、皇室の儀式は宗教性・政治性を帯びないものだけが国事行為として認められています。しかし、皇室典範では「天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う」としか書かれていません。

 昭和天皇の崩御、及び平成天皇の即位はこの現行日本国憲法下で初めての事例となり、同年2月24日に行われた葬儀では、計7つの儀式のうち4つが皇室行事、3つが国の儀式として執り行われました。竹下登首相(当時)ら三権の長は1月10日、中心的な儀式である「葬場殿の儀」に出席しない意向を一旦表明したものの、国内外の世論の動きを受け、そのわずか4日後に一転して出席を表明するなどの混乱もみられました。ちなみに1月7日~16日の皇居における弔問記帳者は233万人にも上りました。

生前退位の社会的影響


 以上は昭和天皇の崩御と平成天皇の即位をめぐる動きのほんの一部分であり、今回天皇陛下が「生前退位」のご意向をお示しになられたのは、まさにご自身が「お気持ち」のなかで述べられた「社会が停滞し、国民の暮らしにもさまざまな影響が及ぶ」事態を回避なされたいという強い思いの現れだといえます。

 もっとも、現行憲法下における天皇の崩御という事態を、日本の政府と社会は一度経験済みであり、いわば前例があるため、社会的混乱はかなり抑えられる可能性が高いともいえます。一方、「生前退位」は現行の憲法と政治制度の想定外であり、これから法整備も含めて細かい制度設計をゼロから行い、そしてそれを実際に実行する必要があります。その意味では、かなりの大きな影響や国家的な大混乱を社会に及ぼす可能性もあるでしょう。
(文=編集部)

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