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妊婦は「○○しちゃダメ」「○○したほうがいい」は間違いだらけ?母子に悪影響及ぼす情報も

構成=長井雄一朗/ライター
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――「これを食べると赤ちゃんの心身に良い」といったものについても、同様でしょうか。

荻田 これもやはり、バランス良く食べることが大事です。強いて言えば、妊娠期間中は良質なタンパク質とビタミン類をバランス良く摂取するのが望ましいでしょう。

妊婦は体を冷やしてはいけない?

――昨年2月の会見では「ネット上には、母体にも赤ちゃんにも悪い影響を及ぼすような情報もある」と注意喚起されていましたが、具体的には。

荻田 たとえば、妊婦について「体を冷やしてはいけない」「塩分の摂り過ぎは良くない」という情報がありますが、これらが独り歩きすると母子ともに悪影響を及ぼしかねません。

 仮に真夏に妊婦さんがこの2つを実行すれば、熱中症になってしまいます。体の表面の体温と深部体温は2℃の差があるので、妊婦さんの体温が38℃だとすれば赤ちゃんの体温は40℃にもなります。また、塩分を適切に摂らないと汗が出にくくなってしまいます。

――「妊婦は体を冷やしてはいけない」というのは昔からある民間伝承なので、高齢者のなかには信じている人も多いのではないでしょうか。

荻田 はい、います。特段に悪意のある情報というわけではありませんが、お産の世界には、いまだに民間伝承や都市伝説といった類の情報が少なくありません。しかし、そのいずれも「やったほうがいい」という科学的根拠はないのです。

 代表例が、安定期に入る妊娠5カ月あたりから下腹部につける「腹帯」です。私は「しんどかったら外していいですよ」と言いますが、「祖母から『つけておきなさい』と言われた」という事例もあります。それで確実にお腹が安定するのであれば推奨しますが、やりたくないのにやる必要はありません。

――たとえば妊娠中の妻がトンデモ情報に耽溺するようになってしまったら、パートナーはどう接したらいいのでしょうか。

荻田 それまでの接し方に悪いところがなかったかを考える必要があります。奥さんがそういう情報にからめとられてしまうのは、「夫は味方ではない」と考えているからです。ある情報に接したら、パートナー同士で一緒に真偽を考えるような関係が望ましいです。