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NHK、森友問題「写真偽装」を突き止めた野党を中傷報道…市民団体に「NHKは公平」と回答

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写真3:NHKの回答書

NHKの回答とその問題点

 NHKが、「考える会」の苦情処理書に対して示した回答(写真3)の中で、訂正報道については、市民団体は法律上、直接の関係者ではないため訂正を求めることができないとして拒否した。そこで「考える会」では、前掲のように当事者である立憲民主党の川内博史衆議院議員、小川敏夫参議院議員、共産党の辰巳孝太郎参議院議員から連名で提出する了解を取った。NHKに対して門前払いを撤回させ、再回答させることになった。

 また、苦情処理については、意見対立する双方の意見を伝えているのかという点で、野党の主張は記事内で掲載し、公平・公正・不偏不党の立場を守っていると述べていた。

 しかし、これは無理な理屈である。現に野党議員を批判した業者の反論に対する野党議員の見解「業者が1月17日の説明会の時には説明していないことも説明したかのように回答書では述べ、その野党への反論は事実ではなかった」は、掲載にあたって考慮されていなかった。野党の意見は、業者が反論するたたき台として記載されているにすぎなかった。その上、『森友学園問題 立民・共産の議員の発言に工事業者反論』という見出しを打ち、その反論が根拠を持つかのように報道していたのである。したがって、ほとんど回答になっていないといえよう。通常、対立する意見があった時には、見出しに採用された意見がその報道機関の主張とみられる。見出しに工事業者の「反論」を掲げながら根拠なく報道したNHKの責任は重い。

 ここで、工事業者の回答書、そしてNHKの報道、「考える会」が提出した苦情処理書に戻って、改めて今回のNHK報道の問題点について考えてみたい。

写真4:試掘写真No.7と試掘写真No.11は、同じ写真を加工して別の試掘穴と説明されていた。このほか、試掘写真No.7と試掘写真No.10も同じ。

 工事業者から国交省への回答書の要点は、国が値引きの証拠として用いた試掘写真資料(写真No.7と写真No.10、写真No.11)において、別の試掘穴の写真とされていたものが、同じ試掘穴であることを認めた点にあった。業者は、担当職員が代休中だったため写真の選定を間違った「単純なミス」と言い訳をしている。

 しかし、この資料は昨年明らかになった4000ページにおよぶ公文書によれば、8億2000万円の値引きをするにあたって計算根拠とした重要資料であった。その重要資料を、業者は試掘写真(写真No.7)の一部を拡大処理した上で切り抜き、それを別の試掘穴(写真No.11)のように見せていた。この他にも試掘写真(NO.7)をもう一つ(写真No.10)につくり替え、1つの試掘穴を合計3枚の試掘写真として偽装していた。写真の選定で間違ったというレベルの問題でなく、意識して写真加工した明らかな写真偽装であった。

 これまで国会でも偽装の疑惑を指摘されていたが、国(財務書・国交省)は、「業者がつくったことだから」という言い訳を使い1年半も引き延ばしたあげく、工事業者自身が偽装を認めたのである。これ自体が大事件である。

 ところが、NHKはこれを次のように報じた。

「森友学園への国有地売却をめぐり、立憲民主党と共産党の議員が、(略)現場を試掘し、報告書を作成した工事業者から説明を受け、工事業者は『報告書は若い社員がいいかげんに作ったもので、深さを意識してつくったものではない』などと話していたと述べました。これに関連して、工事業者が(略)回答した資料の中で工事業者は『私の説明した発言内容が正確に引用されておらず、発言の一部のみを引用し、都合よく発言内容を合体したため、まったく異なる意味内容となっている』などと反論しました」

 写真偽装という公文書の偽装、かつ森友問題の核心点である埋設ごみの有無にかかわる重大問題を、立憲民主党と共産党の議員が工事業者の説明を正確に述べなかったため、それへの業者からの反論があったという問題にすり替えがなされ、試掘写真資料の偽装問題を業者が認めたという点については触れていない。
そこで苦情処理書では以下のように指摘していた。

「試掘写真資料は、8億円余りの値引きを行う唯一の根拠だった、その写真の示す試掘穴に間違いがあった、と業者が認めた事は、8億円の根拠が疑われる重大な事態である。報じないのは、公共放送に求められる報道機関としての資質を欠いていると言われても仕方がない」

 NHKが野党を根拠なく批判するために、回答書における工事業者の言い分の真偽を確かめず報道した責任は重い。

 なお4月26日、再度提出された苦情処理書は、「考える会」と前出の立憲・共産党の議員の連名となっている。今後の行方に注目したい。
(文=青木泰/環境ジャーナリスト)

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