顧客獲得に利用か

 一体、MatoMaを運営する今井弁護士の目的は何か。弁護士法に違反する可能性もある危ない橋を渡っているわけだが、そこまでしなければならない理由はどこにあるのか。

 それは、「顧客の獲得ではないか」という指摘がある。今は弁護士業界もシビアな時代で、顧客獲得に血眼になっている弁護士も少なくない。そのため、今井弁護士は顧客獲得に必死になるあまり、弁護士法や弁護士職務基本規程を無視した行動に走ったのではないかとみる向きもある。

 ちなみに、MatoMaが人材募集をした際に、以下のような紹介文が載せられている。

「医療被害、投資詐欺被害、労働被害など、世の中にはさまざまな被害を被りながら適切な問題解決の方法が分からず悩んでいる人や泣き寝入りしている人が大勢います。弁護士に依頼しようとしても一人では弁護士費用が高くて割に合わなかったり、十分な証拠や情報が集めきれないために諦めてしまう人も多いのが実情です。こうした問題を解決する手段のひとつが『集団訴訟』であり、その集団訴訟のプラットフォームを提供するリーガルITサービスが当社のリリースした『MatoMa』です。『MatoMa』は、被害者がサイト上で『まとまり』をつくって加害者に対抗するという意味からつけた名称。同じ被害に苦しむ人たちと、その集団訴訟に関心のある弁護士とのマッチングの場を提供しています」

 美辞麗句が並ぶが、本心は別だろうと指摘する弁護士もいる。

「MatoMaを立ち上げることで、NX法律事務所が訴訟の代理人となることを狙っているのではないか」(都内の弁護士)

 つまり、MatoMaはNX法律事務所の広告サイトの役割を果たしている可能性があるのだ。集団訴訟を口実にして詐欺被害者のリスト情報を収集し、NX法律事務所の顧客として利益を獲得する狙いがあるのではないか。複数の弁護士に取材すると、そんな推測が浮かび上がった。

 実際、WOSS社とは別のある会社が、MatoMa上で同じく集団訴訟を起こされかけている。MatoMaのプラットフォームを介して集団訴訟を起こすとの手紙を受け取ったという。その手紙を出した弁護士は、NX法律事務所のS弁護士であることから、この推測はあながち外れていないのではないだろうか。

 その会社は、集団訴訟を起こすとの手紙に対して黙殺しているが、その後はなんの連絡もないという。

 ちなみに、株式会社MatoMa本社の住所はNX法律事務所と同じだが、募集では本社代表番号ではなく、T氏の携帯電話番号が連絡先とされていた。

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