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森由香子「間違いだらけの食」

春に要注意な「尿路結石」にならないための食事の摂り方…カギは“食べ合わせ”

文=森由香子/管理栄養士
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春に要注意な「尿路結石」にならないための食事の摂り方…カギは“食べ合わせ”の画像1「Gettyimages」より

 春の野菜は、この時期にしか食べられないものが多いですね。店頭には、旬を迎えたみずみずしい野菜の数々が並び、春の訪れを実感いたします。

 この時期にしか美味しく味わえない、たらのめ、ふきのとう、こごみ、うど、ふき、うるい、わらび、ぜんまいなどの山菜やタケノコは、独特の苦み、えぐみ、香りも楽しむことができます。苦み、えぐみ成分は、野菜が害虫から身を守るための防衛成分という説もあります。

 春の野菜に多い苦み、えぐみ成分のひとつに、シュウ酸があります。シュウ酸は、尿路結石の材料となる成分、ほうれん草に多く含まれる成分として、ご存じの方も多いことでしょう。シュウ酸は、ジカルボン酸(COOH+COOH)という構造式をもち、代謝の最終産物、つまり尿へ排出される成分です。尿路結石に一度なられた方は、尿中のシュウ酸が多いと尿路結石の再発率も高くなることがわかっています。

 尿路結石の原因をつくる主な成分として、シュウ酸のほかに、リン酸、尿酸、カルシウム、リン酸マグネシウム、アンモニウム、シスチンなどがあります。尿路結石のなかで80%を占めるのが、尿中でシュウ酸とカルシウムが結合してできるシュウ酸カルシウム結石といわれています。

 ここで、カルシウムも摂りすぎはいけないのでは? と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。結論から申し上げますと、カルシウムの摂りすぎよりも、カルシウム不足のほうが心配です。食品からカルシウムをたくさん摂っても、そのまま尿へストレートにいくわけではありません。では、尿へいくカルシウムは、どこからきているのでしょうか。

 実は、食品からのカルシウムが不足すると、血液中のカルシウムが不足しかねません。そうならないように、カラダは骨からカルシウムを溶かしだし不足を補っています。このときに、必要以上にカルシウムが溶けだしてしまう場合があり、カラダで使われなかった分が尿へいってしまうのです。そのため、現在では、結石の予防として、食品からカルシウムを積極的に摂取することが推奨されています。ちなみに、多くの日本人は、カルシウム摂取量が1日の推奨量に達していないといわれています。

森由香子/管理栄養士

森由香子/管理栄養士

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数

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