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『集団左遷!!』福山雅治の“空回り演技”批判は的外れな理由…本当の問題点とは

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「福山雅治と香川照之が大河ドラマ『龍馬伝』(NHK)以来の共演」などの話題性もあって、視聴率は初回から13.8%、8.9%、10.1%と平均2ケタ台をキープしている『集団左遷!!』(TBS系)。

 しかし、ネット上には「福山がひとりで空回りしている」「顔芸の違和感がすごい」などと福山の演技を酷評する声も多く、私の知人でもある書き手たち(ドラマのコラムニスト、新聞の芸能担当記者)からも否定的な声が少なくない。

 2ケタ台の視聴率と否定的な声……なぜ、このような相反する傾向が表れているのだろうか?

『半沢直樹』の系譜ではなかった

 確かに、福山が演じる片岡洋は、目を見開き、口をゆがめ、頭を抱え、大声を出し、バタバタと走り回るなど、その演技は誰が見てもオーバーアクション。ただ、福山は演出家やプロデューサーの意向を受けて演じているのであって、「福山が悪い」というのは、あまりにも乱暴すぎる。

 そもそも「ビジネスの物語で、テーマは下剋上や逆転劇」、さらに「TBS『日曜劇場』での放送」といえば、原作・池井戸潤×演出・福澤克雄×プロデュース・伊與田英徳のトリオが手がけた『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』『下町ロケット』『陸王』の系譜といえる。

 しかし、『集団左遷!!』は原作・江波戸哲夫×演出・平川雄一朗×プロデュース・飯田和孝という、まったくの別路線であることに気づいていない人が多い。池井戸作品でおなじみの香川照之を起用していることもあって、同じ系譜の作品だと思ってしまうのも仕方がないが、むしろ「真逆のアプローチをしよう」という試みが見える。

 たとえば、福澤演出の定番といえば、時代劇のようなケレン味たっぷりの悪役、顔面の真正面アップを多用するカメラアングル、たびたびインサートされるギラギラとした太陽などが挙げられる。しかし、『集団左遷!!』の横山常務(三上博史)は「銀行を立て直す」という大義がある地に足のついた人物であり、顔面のアップや太陽のインサートはない。

 作品全体の世界観も、池井戸×福澤×伊與田トリオのような重さはなく、むしろ元気と笑いをベースにした軽さが目立つ。編成の方針なのか、演出家の意地なのかはわからないが、次クールの7月から池井戸×福澤×伊與田トリオが手がける『ノーサイド(仮)』の放送が決まっているだけに、「差別化しよう」という意図があるのは間違いない。

本当の問題は「がんばれ」一辺倒の物語

 もうひとつ気になるのは、多くの人が上げている「福山は新境地を見せようとして失敗している」という声。これまで福山は「カッコイイ」「知的」と思わせるクールな役を演じてきた印象があるかもしれないが、それだけではない。

 かつては、冴えない編集者を演じた『いつかまた逢える』、ナンパ好きの歯科医を演じた『パーフェクトラブ!』、軽い物腰の報道ディレクターを演じた『美女か野獣』(いずれもフジテレビ系)などでコミカルな演技を見せていたし、当時は視聴者に今作のような違和感を与えていなかった。

 また、「人情と情熱があり、労力を惜しまず、勇気を出して行動する」という片岡は、ベタではあるが、愛されるタイプの主人公といえる。つまり、回を追うごとに福山がコミカルな演技の感覚を取り戻し、視聴者もそれを見慣れることで、違和感は徐々に払拭されていくのではないか。

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