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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

安倍政権、競馬場やパチンコ店への入場制限システム導入を検討…依存症対策が業界の重荷に

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
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すでに実施済の各種対策

 こうした状況下で前述の施策を実行していくわけだが、実はこれらの施策については、すでに以下のように取り組みが進められている。

【ATMの撤去】
 クレジットカードによるキャッシングサービス機能の廃止またはATMの撤去

競馬
18年3月末までに、競馬場では中央競馬10カ所中5カ所、地方競馬15カ所中2カ所、場外馬券売場では中央競馬42 カ所中2カ所、地方競馬82 カ所中2カ所のクレジットカードによるキャッシングサービス機能の廃止、またはATMの撤去

・競輪
17年12月までに競輪場と場外車券売場のATM2カ所を撤去し、他の9カ所についても、キャッシング機能を廃止

・競艇
18年3月に競走場および場外舟券売場に設置されているすべてのATMについて、キャッシング機能の廃止またはATMの撤去を行い、場内におけるキャッシングサービスを廃止

パチンコ
パチンコ店(2018年12月現在約1100店)にATMが設置されているが、キャッシング機能やローン機能はなく、1日3万円、1カ月8万円の利用制限を設定。また、一部のパチンコ店(同約850店)で、1日3万円の利用制限があるデビットカードシステムを導入

 こうして見ると、ほとんどの公営ギャンブル場とパチンコ店では、すでにキャッシングやローンといった借り入れはできなくなっており、パチンコ店では自らの口座から預金を引き出す際にも、1日3万円という利用制限が設けられていることがわかる。

 それでも、政府はこれらのATMを撤去するように求めている。ただし、競馬場に設置されている海外発行カード専用ATMについては、政府のインバウンド促進の方針により、訪日外国人客によるATM利用は制限の対象外とし、海外発行カード専用ATMは撤去の対象外となっている。

 つまり、公営ギャンブル場やパチンコ店には持参した資金だけをかけ金とするよう制限するわけだが、例えば高額を持参していけば、スリや盗難という犯罪に遭う危険性が高まることになる点は注意が必要になろう。

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5:30更新
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