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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

天皇陛下が承継した「三種の神器」、贈与税にまつわる“特別な取り決め”が判明

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剣璽等承継の儀の様子(「Wikipedia」より)

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな三種の神器は「白黒テレビ」です。

 5月1日、新天皇陛下即位にあたり剣璽等承継の儀が行われ、三種の神器のうち三種の神器のうち、天叢雲剣と八尺瓊勾玉が承継されました。三種の神器とは、八咫鏡(やたのかがみ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)の3つで、古事記によると鏡と玉は天照大神の岩戸隠れの際につくられ、剣はスサノオがヤマタノオロチを退治した際に尾の中から出てきたとされています。

 3つとも歴史的・文化的にとてつもなく価値のある資産ですから、崩御され相続されるときには、相続財産に含まれ、課税される可能性があります。

 もちろん、相続税法はそのことを予期しており、以下のように規定しています。

【相続税法第十二条】
次に掲げる財産は、相続税の課税価格に算入しない。
皇室経済法第七条(皇位に伴う由緒ある物)の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

 では、贈与の場合はどうでしょうか。今回のような生前退位では、財産を相続することはありません。平たくいうと、亡くなった方から財産を受け取るのが相続で、存命の方から受け取るのは贈与です。

 贈与税法というものはなく、相続税の中に贈与税のルールが書かれています。その中に、相続税のような、皇位とともに皇嗣が受けた物に関する贈与税の規定はありません。このままでは、三種の神器に贈与税が課税されてしまいます。

 贈与税には年間110万円の控除があります。そのため、一般の方が多少の財物を他人からもらっても、申告・納税となることはありません。

 しかし、今回は三種の神器です。その価値は計り知れません。天皇陛下が憲法に明記された特殊なお立場であること、歴史的な重要性、売却の非容易性を鑑みると、非課税が望ましいと考えられます。

 では、贈与税のルールを変えるのかというと、簡単にはできなかったのか、4月30日に施行された「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」に、三種の神器などを非課税とする規定が盛り込まれました。

 皇室典範特例法の条文には、
「退位した天皇は、上皇とするものとする」
「上皇の敬称は陛下とする」
「上皇の后は上皇后とする」
「国民の休日である天皇誕生日を『12月23日』から『2月23日』にする」
といった規定があります。そのなかに、贈与税について書かれた部分があります。

【附則第7条】
この法律による皇位の継承があった場合において、皇室経済法第7条の規定により、皇位とともに皇嗣が受けたものについては、贈与税を課さないものとする。

 これにより、三種の神器などが贈与されても非課税となりました。

天皇陛下が承継した「三種の神器」、贈与税にまつわる“特別な取り決め”が判明のページです。ビジネスジャーナルは、連載、三種の神器天皇陛下相続税贈与税の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

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