
【2018年末までウェブサイト「wezzy」に掲載されていた本連載、今回よりこの「ビジネスジャーナル」に移動しての連載再開となります】
2015年3月に北陸新幹線の長野~金沢間が延伸されたことで、首都圏から金沢へのアクセスは新幹線が主流となった。関西、中京圏からもそれぞれJRの直通特急(サンダーバード、しらさぎ)が通っていることもあって、北陸地方への移動は、鉄道を利用する人が多い。
石川県の空の玄関口である小松飛行場(小松空港)の利用者数も、新幹線の金沢への開通で大きく減少した。2014年度の総利用者数が約231万人だったのに対し、2015年度は169万人と、対前年比で約73%まで落ち込んでいる。
ただソウルや上海、さらに台北へはLCCも就航するなど国際線が好調で、2017年度には約171万人まで持ち直している。存在意義は依然として高い空港であるといえるだろう。
もともと旧海軍の飛行場として戦中に建設された小松空港は、アメリカ軍の接収を経て、いったん民間機専用の飛行場として開港。1961年に自衛隊との共用空港になるという変遷をたどっている。



小松から金沢市街までは直線距離で約26kmと離れており、アクセスは決していいとはいえないことも、北陸新幹線に利用者を奪われている原因の一端となっている。一方で、隣県の県庁所在地である福井へは約42kmとそれなりに近く、定期便の発着がなくなった福井空港の代替空港としても機能している。2県の窓口と考えれば、利便性の高い場所に位置しているともいえるだろう。
金沢駅や市中心部の繁華街・香林坊から、ダイレクトでアクセスできるリムジンバスの運賃は1130円、福井駅からは1250円。小松駅までJRで移動し、路線バスに乗り換えるルートは、金沢駅から500円+270円で770円、福井駅からは840円+270円で1110円(いずれも普通電車の場合)。所要時間はややバスに軍配が上がるが、大きな差はない。
今回は金沢駅からリムジンバスで小松空港へ向かい、そこから徒歩で小松駅まで歩いてみた。実践したのは2018年12月上旬。気温は20度近く、歩くには快適な気候だった。