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また、今回の対中関税引き上げについては、北朝鮮問題もかかわっていると見ることもできる。北朝鮮の最大の後ろ盾となっているのは中国であり、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐっては、中国にも大きな責任があることは明白だ。そのため、かねて米国は貿易交渉などの場でも中国に北朝鮮への対応を求めてきた。しかし、北朝鮮は国連安全保障理事会決議に違反するかたちで再び弾道ミサイル発射を強行し始めた。これが米国の対中姿勢に影響を与えた可能性も否定できないだろう。
いずれにせよ、米国や日本が中国の国家資本主義に対抗するためのタイムリミットは迫りつつあった。だからこそ、米国はここで一気に強硬策に打って出たわけだ。そこに、この問題の本質があり、つまりは目先のカネの話ではないのである。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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