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ジャパンディスプレイ、中国企業への“身売り”を招いた経産省の“無策”経営…責任を放棄

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新体制のCEOは誰になるのか

 JDIは12年、経産省が主導し「日の丸液晶連合」を目指した。官民ファンドの産業革新機構(現INCJ)が議決権の70%を握るかたちでスタートを切った。革新機構は14年にJDIが株式を上場して1600億円超を回収した後も関与を深め、16年12月に韓国勢に比べて商品化が遅れていた有機ELパネルの開発資金として、750億円の金融支援を決めた。18年3月末にはアップル向け液晶パネルの増産に向け200億円を支援した。

 過剰設備を抱える原因となった15年3月の白山工場(石川県)の建設の決定を主導したのは、革新機構出身の取締役だった。ただ、今回、INCJは新規資金を出さなかったため、18年9月末で25.3%あった議決権比率は12.7%にまで低下する。

 産業革新機構による事業再建の実は、まったく上がらなかった。中国のパネルメーカーが政府の手厚い支援を背景に急成長したことで価格競争が激化し、採算が悪化した。

 とどめを刺したのが、主要顧客であるアップルの不振だ。JDIのアップルへの依存度は55%弱である。アップルは17年、一部のスマホで有機ELを採用したが、JDIは有機ELで韓国サムスン電子などに大きく後れを取った。液晶パネルの納入量が減少し、従業員や工場のリストラに追い込まれた。構造改革に1400億円以上をかけざるを得なくなった。

 月崎義幸社長兼最高執行責任者(COO)は4月12日の記者会見で「国内拠点の統廃合を視野に入れている」と語り、追加リストラを示唆。1000人の追加人員削減を4~9月期に実施する。

 5月15日に発表した2019年3月期の連結決算の最終損益は1094億円の赤字(18年同期は2472億円の赤字)で、5年連続の赤字となった。無用の長物と化した白山工場(石川県白山市)について、752億円の特別損失を計上した。売上高は前期比11.3%減の6366億円、営業損益は309億円の赤字(同617億円の赤字)で、2期連続で営業赤字だ。自己資本比率は0.9%(前期は13.1%)にまで低下、債務超過寸前の状態に陥った。

「19年3月期の黒字転換」を公約していた東入来信博会長兼最高経営責任者(CEO)は、アップル、台中連合、INCJの利害調整に追われ、過労で緊急入院した。5月15日、東入来会長兼CEOが同日付で退任し、月崎社長がCEOを兼務する人事が発表された。

 今後の焦点は、台中連合の金融支援が正式に決まることを前提に、臨時株主総会後に発足する新体制で誰が経営トップに就くのかだ。経産省が主導したトップの人選は、これまでことごとく失敗に終わっている。台中連合からトップが派遣される可能性もある。

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