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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第16回 小西工己氏(名古屋グランパ スエイト社長)

名古屋グランパス、J2降格から1年でJ1復帰、平均観客数歴代1位の“奇跡の軌跡”

文=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

名古屋グランパス、J2降格から1年でJ1復帰、平均観客数歴代1位の“奇跡の軌跡”の画像2

片山 地方では、どうするんですか。

小西 地方のスタジアムの試合では、選手は前日に現地に入ります。だから、選手のいるホテルに当日合流して、選手と一緒にバスでスタジアムに向かいます。結構まめなタイプなので、あまり苦にはなりませんよ。

片山 就任されて、まず何をしましたか。

小西 グランパスの本社は、当時、名古屋市中区矢場町の雑居ビルの4階でしたが、チームは豊田市のトヨタスポーツセンターにいる。「現場」であるチームと事務所が離れているのはおかしいだろうと、スポーツセンターの中に引っ越しました。

片山 「現場」に近づいたんですね。

小西 はい。いまは窓から選手がピッチで練習しているのが見える。ウォームアップやパスの練習が済んで、フォーメーションプレイになったら出ていって、近くで見ています。

片山 どん底からのスタートでしたね。

小西 私は、後ろは向かんほうですからね。とにかく、「何をやってもいい」といわれたので、何ができるかなと考えました。

片山 でも、J2は大変だったでしょう。

小西 大変ですよ。何もかもJ1とは違います。対戦相手は知らないチームばかり、スター選手もあまりいない。優秀な選手は、すぐにJ1に引き抜かれるし、選手自身、それが目的でがんばっているところもある。グランパスも多くの選手が出ていって、まるっきり違うチームになっていました。

片山 同じく17年に就任した風間八宏監督も、大変だったでしょうね。

小西 1年でJ1復帰は、今言ったように、かなりストレッチしたターゲットだったと思います。いま思えば、1年で復帰したのはすごい手腕です。さすが風間監督ですね。

片山 小西さんは、グランパスの試合には、全部ついていかれるんですか。

小西 それ、よく聞かれるんですけど、決まりですからついていかないといけないんですよ。コミッショナーと両チームの社長と監督、4人の審判が70分前ミーティングをして、条件とか、何かあった時の対応とか、懸念点なんかの情報をシェアして、承認しないと試合が成立しない。もちろん、決まりじゃなくても、必ず毎試合いきますけどね。

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

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