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ケースで見る!「働くハイスペック女子」への処方箋

“逆差別”に苦しむ独身女性社員たち…子持ち社員のせいで業務負荷集中、感謝もされず

文=矢島新子/産業医、山野美容芸術短期大学客員教授、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表
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 2017年に実施されたとあるネットニュースによる調査によれば、「独身であることに関して嫌味を言われたことがある」と答えた人の割合が最も高かった年齢層は30代で、その割合は3割以上でした。具体的には、「自由な時間があっていいわね」(=だったらその分仕事ができるでしょ、という意味)などと言われるケースがあるようです。

 ひとたび結婚すれば、とりわけ子供ができれば、独身時代と比べて時間的や経済的にいろいろな制約ができてくるのは事実です。その一方で、業務上のしわ寄せが独身者に行き、長期出張や時間外の緊急対応に動員されやすくなるような状況があれば、当然のことながら不公平感につながります。

 必ずしも感謝されていないのにもかかわらず業務負担の不公平感が大きいこと、またいわば「独身者ハラスメント」ともいうべき仕打ちを受けて、Sさんは、仕事に集中できないことがだんだんと増えてきました。自宅でもやけ食いをしてみたり、こんな状態の自分を責めて悶々と考えこんでしまい、眠れないことが増えてきました。こうなってくると、もはや軽い抑うつ状態に入ってしまっています。

 近年、ある程度以上の規模の会社では、産休・育休制度の充実はもとより子供の就学以降も時短勤務を認めるなど、ワーキングマザーに十分配慮した勤務体系を認める会社が増えてきています。その一方で、仕事の総量と頭数が一定だとすれば、ワーキングマザーの業務量を減らした分だけ、誰かの業務量が増えることになります。私が知っている別の例では、周囲に隠して不妊治療をしている女性が、子育て中の女性の仕事をカバーして夜遅くまで仕事をしていた、なんてこともありました。

仲間の気持ちを忖度する一方で、努力には公平な人事評価で報いる

 現代の職場とチームのあり方は多様化しており、さまざまなライフステージにいる人たち、さまざまなライフプランを持った人たちが協働して成果を上げることが求められています。働き手の大半が男性で、少数のキャリアウーマンがいて、一般事務職の女性がこれらを支える、という職場構造は過去のものになりました。周囲から見れば、Sさんのようなハイスペック女子は、「モーレツ社員」(死語でしょうか)で、キャリア志向で、子育て女性から何を言われようとあまり気にしていないように映るかもしれません。

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11:30更新
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