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JR福知山線事故、現場解体し“覆い隠す”施設建設…負の痕跡消去に被害者遺族から反発も

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祈りの杜

 異常な数の警官が、1秒たりとも立ち止まらせまいと通行人をうるさく規制し、花束を手にして訪れた遺族らにJR西日本社員らが慇懃に頭を下げる。報道陣は道路を挟んだ側のテントに集められ、そこで追悼慰霊式のモニターカメラを見るだけ。直接撮影はすべて記者クラブの代表撮影と、まるで皇室取材のよう。追悼会場には筆者のようなフリーランスどころかJR担当の記者クラブ員も入れないのには驚いた。

 2005年に106人の乗客と運転士1人が死亡した福知山線転覆事故(脱線事故のレベルではない)。例年のように4月25日、尼崎市の現場をオートバイで訪れた。

 事故時刻の午前9時18分頃。現場を通過した列車は数秒間、哀悼の警笛を鳴らし、スピードを落として走った。ここまでは昨年と同じだが、事故14年目にして初めてのことがあった。昨年までは数キロ離れた別の会場で行われてきた追悼慰霊式が、事故現場で行われたのだ。

 JR西日本が3年かけて整備し、昨年9月に事故現場に完成した追悼施設「祈りの杜(もり)」が追悼式の舞台だ。敷地は約7500平方メートル。列車が衝突したマンションの一部が保存されているものの、北側の衝突面には一般入場者は入れない。

 事故当時の広報室長だった来島達夫社長が「尊い命、夢や希望にあふれた、かけがえのない人生を奪ったことを改めて心から深くおわびします。この『祈りの杜』を事故を反省して安全を誓い続ける場として将来にわたりお守りします」と述べた。

 37歳だった長男の満さんを亡くした斉藤百合子さん(76)は「慰霊のことば」で「やっと私たちの近くに帰ってこられたね。これからはここが満たちが安心して眠れるところよ」と喜んだ。31歳だった長男の吉崇さんを亡くした菅尾美鈴さんは「事故現場を整備してもらい感謝します。「祈りの杜」が完成して初めての慰霊式で、あの時のことが鮮明によみがえります」と話した。2両目で負傷した土田佐美さん(50)は「ここで慰霊式が行われることにはいろんな意見はあると思いますが、亡くなった人の思いが集まる場で事故が起きた日に手を合わせることは意味があると思います」と話し、足を骨折した小椋聡さん(49)は「慰霊式は事故現場で行うべきだと思う。式の途中も、近くを走る電車の大きな音が聞こえてきて改めて事故の大きさを思い起こした」と話した。

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