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『ラジエーションハウス』特定患者を“検査順番待ちスキップ”の特別扱い→美談に倫理的問題

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『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』公式サイトより

 窪田正孝が主演を務める連続テレビドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)の第7話が20日に放送され、平均視聴率は前回から1.8ポイント減の11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。

 このドラマは、レントゲンやCTで病変を写し出す放射線技師・五十嵐唯織(窪田)が「病の写真家」として、目には見えない患者の病気を見つけ出し、命を救っていく医療ドラマだ。これまでは、病気や検査方法、治療法についての新たな知識を視聴者に教えてくれる回が多かったが、第7話では「検査難民」を題材として取り上げた。

 検査難民とは、検査によってなんらかの疑いが見つかり、再検査を受けなければならない状況にある患者が、順番待ちで時には何カ月も待たされてしまう問題だ。病気の疑いがあるから再検査しなければならないのに、再検査の結果が出るまでは治療が開始されない。つまり、患者は「自分は病気かもしれない」「待たされている間に病気が進行しているかもしれない」という不安を抱えながら生活しなければならない。それによって精神的に追い詰められてしまう場合もあるという。

 第7話で検査難民になったのは、マンモグラフィー検査で悪性の疑いがあると診断された蛭田真貴(松本若菜)。がんかどうかを診断するためには超音波検査が必要だと医師から告げられるが、予約でいっぱいのため検査は2カ月後になるという。しかも、超音波検査でがんの疑いがあると診断された場合には、さらに別の検査が必要になると言われてしまう。

 待たされている間にがんが進行する可能性だってあるのではないか、と不安でいっぱいになった真貴の夫・志朗(篠原篤)は、2人の同級生であり、この病院に勤める軒下吾郎(浜野謙太)に、なんとか検査を早めてほしいと泣きつく。だが、技師の軒下にはどうするすべもなかった。

 天才的な技術と、検査画像から病気を突き止める「読影」に関する豊富な経験と知識を持つ五十嵐が数々の患者を救ってきたこれまでの回とは異なり、「順番待ちをすっ飛ばして早く検査してほしい」という要望は、医療の知識や技術でどうにかなる問題ではない。どちらかといえば、裏技を使って特別扱いしてもらえるかどうかの問題だ。

 そして、この回の結末も、ほぼそれに近いものだった。五十嵐は院長の大森渚(和久井映見)から検査の依頼を出してもらい、時間外に検査をしてしこりが良性であることを突き止めたのだ。裏技感満載である。五十嵐や大森院長が特定の患者を特別扱いした事実は消せないし、検査難民の根本的な解決にはなっていない。視聴者からも「ほかの患者も技師に訴えたら順番変えてもらえるわけ? ズルくない?」「特定の患者を特別扱いするのはよくないんじゃないかなあ」「特別扱いしてもらった人はいいかもしれないけれど、その裏で割りを食ってる人もいるよね」「美談にしていいのかな? 腑に落ちない」といった批判が噴出した。

 ただ、この回には、ひとつの“裏テーマ”があった。それは、「角度を変えてしっかりと見つめると違う顔が見える」というもの。マンモ検査に写った真貴のしこりは一見すると悪性に見えたが、再撮影してよくよく見ると良性の腫瘍であることがわかった。一方、いつもやる気がなさそうで頼りなさげに見える技師の軒下は、実は人一倍責任感が強く、技術も一流で皆に信頼されていた。

 当初、軒下はオンコール(夜間の待機番)だったのにデートに出かけてがぶがぶとワインを飲んでおり、いかにもダメダメな人物に見えた。ところが当直の広瀬裕乃(広瀬アリス)からヘルプの電話がかかると、お金を置いて病院に駆け付ける。ワインに見えたのはブドウジュースだったというオチだ。こちらの顛末はなかなかおもしろかったし、回が進むにつれて、クセモノぞろいに見える技師たちが実はみんないい奴だったと明かされていく展開も爽快感がある。それだけに、なおさら特定の患者を特別扱いすることで無理やり大団円にまとめたメインストーリーの雑さが気になってしまった。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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