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やよい軒、“客の声”を言い訳にした「おかわり有料化」は不誠実…裏に切羽詰まった事情

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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やよい軒、“客の声”を言い訳にした「おかわり有料化」は不誠実…裏に切羽詰まった事情の画像1やよい軒の店舗(「Wikipedia」より)

 定食チェーン「やよい軒」が、無料だった定食のごはんの「おかわり」を4月中旬から一部の店舗で試験的に有料化し、話題になっている。試験店ではおかわりをする場合、30~100円(店舗によって異なる)を別に支払わなければならなくなった。

 インターネット上では「仕方ないよね」「30円追加でおかわりできるなら悪くはない」といった「有料化やむなし」の声が上がった一方、「おかわりが有料になるなら、もう行かない」といった否定的な声も上がるなど、喧々諤々の議論が沸き起こった。

 この話は騒動化した面があるが、やよい軒の「おかわり自由」を評価する利用者が少なくなかったことが大きいだろう。そして、客の声を言い訳にしたと捉えられかねないかたちで実験を始めたことが騒動を大きくした。

 運営会社のプレナスは有料化する理由として、「おかわりをしている客もしていない客も同じ値段なのは、不公平感がある」との意見が寄せられたことを挙げている。だが、この説明に納得しない人が続出した。「一部の客の声を言い訳にして実験している」などと否定的な意見が多数上がった。

「コストがかかっていて負担になっている」などと説明するだけであれば、ここまで拒絶反応は起きなかったのかもしれない。しかし、客の声を言い訳にしたと捉えられかねない説明をした上で有料化の実験に踏み切ったため、消費者に不誠実な印象を与え、反発を買ってしまった。明らかに「コミュニケーションの失敗」といえるだろう。

 それにしても、なぜプレナスはこのタイミングで有料化の実験を始めたのか。背景のひとつには、同社の利益が大きく減ったことがありそうだ。コスト負担が大きいごはんのおかわりを有料化することで、利益を確保したい狙いが透けて見える。

2019年2月期は赤字転落

 4月10日に発表した2019年2月期は赤字決算となった。連結売上高は前期比5.6%増の1539億円と好調だったが、本業のもうけを示す営業損益は5億円の赤字(前期は49億円の黒字)、最終的なもうけを示す純損益は29億円の赤字(同23億円の黒字)だった。長らく黒字が続いていたが、ここにきて一転して赤字となった。

 連結売上高は、主力事業の既存店売上高が堅調だったことや、新規出店により店舗数が増加したことが寄与した。既存店売上高は、弁当販売のほっともっと事業が前期比1.6%増、やよい軒事業が0.6%増だった。期末(2月末)時点の国内店舗数は、ほっともっと事業が2748店で1年前から25店増え、やよい軒事業は377店で同26店増えている。

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