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“世界的文化遺産”大阪・飛田新地、アメージングな土地の実態…写真撮影絶対NG

文=秋山謙一郎/経済ジャーナリスト
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 そんな男たちの夜の遊び場・飛田新地は、大阪ミナミの新シンボル「あべのハルカス」の最寄り駅であるJR天王寺駅からひと駅、電車に乗ること約2分、JR新今宮駅から徒歩数分の場所にある。「日本でもっともディープな街」と呼ばれる釜ヶ崎・あいりん地区とは目と鼻の先だ。

 そこは華やかな都会の繁華街、ビジネス街とは打って変わって、その時々の時代や社会から隔絶されたような空気が漂っている。誰もが、ここに一歩足を踏み入れると、まるで大正か昭和初期の時代へとタイムスリップしたかのような錯覚に陥ってしまうだろう。

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 数ある通りには、長屋づくりの日本家屋がずらりと立ち並ぶ。その家屋の1軒ごとに、赤や白の長襦袢姿、あるいはキャミソール、ランジェリーだけ、バニーガールといった男の欲望を掻き立てる格好の女性がひとりずつ座っている。

 ここ飛田では、「お運びさん」「ホステスさん」と呼ばれる彼女たちは、道行く男性に微笑みを投げかけはしても、決して口を開くことはない。

 代わりに、決まってこの彼女たちの斜め前に座っている年配女性が、通りを歩く男性に家屋の座敷前に座ったまま声を掛けている。

「遊んだって。見ていったって。可愛いで」

 声掛け、つまり客引きを行う、この「やり手婆」と呼ばれる年配女性は、若い頃は「お運びさん」「ホステスさん」として活躍していた人たちが多いという。

 早いところだと朝10時、多くは夕方5時から店開きし、店仕舞いは一律、深夜0時の飛田では、一日中このやり手婆の声がこだましている。その様子は、まるで映画やドラマに出てくる「遊郭」を、そのまま今の時代に持ってきたかのようだ。

 この飛田にあるいくつかの通りを歩いていると、座敷に誰もいない状態に遭遇することがある。これは、お運びさんが“接客中”であることを示すものだ。

 ここで接客サービスを受けた男性には例外なく、店から「棒つきキャンディー」が配られる。そして、このキャンディーを手に持つか、口に含んでいると、ほかの店にいるやり手婆から客引きの声掛けをされることはない。なぜなら、これは「もう店でサービスを受けてきました」というサインだからだ。

飛田新地にある店は、すべて飲食店

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 さて、ここ飛田の各店舗での“サービス”について、世の多くの男性は“風俗店”だと思い込んでいる。だが、それは大きな誤解だ。

 飛田新地にある各店舗は、そのすべてが「料亭」である。あくまでも客は「お運びさん」「ホステスさん」目当てに店に通う。そして、そこで短時間で肌を重ねるほどの情熱的な自由恋愛に陥る――。その料亭での“滞在時間”への対価として謝礼を支払う。これがここ、飛田新地での遊びの流儀である。

 その費用と時間設定は、飛田新地のなかでも店舗ごとに若干異なる。