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韓国社会、麻薬汚染が急激な広まり…財界や主婦も、アプリ等での秘匿性高い取引が助長

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匿名性の高いネットワークで「安全」な売買

 
 パク・ユチョンファン・ハナとの覚せい剤投与に先立ち、自ら売人に接触して購入していたことも明らかになっている。そこでパク・ユチョンが取引に使ったのが、「テレグラム」。これはロシア人起業家が立ち上げたTelegram Messenger LLPが提供するメッセンジャーアプリだ。

 メッセージを暗号化してやり取りするテレグラムは、通信内容の秘匿性が高いとされる。そのため薬物の売買など違法な取引に悪用されているわけだ。

 また、上述した財閥3世らに液状大麻を供給していた人物は、「ディープウェブ」を通じて薬物を仕入れていた。Torネットワークなどに代表されるディープウェブはインターネットの一部だが、やはり通信を暗号化するなどして高い秘匿性を確保するネットワーク領域だ。

 そしてもう1つ、決済にしばしば用いられるのが「ビットコイン」。2018年5月に大麻吸引で執行猶予判決を受けた俳優のハン・ジュワンも、メッセンジャーアプリで売人とやり取りし、ビットコインで支払っていたことが明らかになっている。

 暗号化されたやり取りと決済を通じて売買が成立すると、購入者はメッセンジャーアプリで街角に隠した薬物のありかだけを知らされる。つまり通信や送金の記録はもちろん、物理的な接触もない「安全」な売買が可能になっているのだ。こうした新しいIT環境の普及が、韓国で薬物蔓延をもたらした最大の要因に挙げられている。

薬物による強制わいせつ被害も社会問題に

 
 薬物スキャンダルが韓国でとりわけ大きな注目を集めている理由は、ほかにもある。それが「V.Iゲート」事件をきっかけに広く知られるようになった「GHB(Gamma-HydroxyButyrate)」問題だ。

 GHBは韓国で俗称「ムルポン(液状麻薬の意味)」、一般には「デートドラッグ」「睡眠ドラッグ」とも呼ばれる。これは短時間で相手の意識を失わせ、その間に性的暴行するためのドラッグだ。世界的に流行を見せており、韓国でもクラブで女性にGHB入りドリンクを飲ませて犯行に及ぶといった被害例が、多数報告されていた。韓国警察はそれまで捜査に消極的だったが、注目度の高い一大スキャンダルに発展したことでようやく重い腰を上げた格好だ。韓国では特にここ数年盛んな#MeTooのムーブメントも重なり、薬物が女性問題の一環としても論じられるようになっている。

 使用する当人にとどまらず、幅広い被害が大きな波紋を投げかけている韓国の薬物汚染。警察の「麻薬との戦争」は5月に一区切りを迎えるが、新たな技術を駆使する犯行に歯止めはかかるのだろうか。
(文=高月靖/ジャーナリスト)

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