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卓球の女王・石川佳純が東京五輪に出られない?過密化する国際大会日程と世界ランキング

文=美山和也

27歳で五輪というジンクス

 この熾烈なポイント争奪戦について、こんな声も聞かれた。

「ブダペストでの世界選手権個人戦が、東京五輪への代表レースの実質的な幕開けとなりましたが、実際に五輪代表の枠を勝ち取るまでは、かなりの“体力勝負”となりそうです」(体育協会詰め記者)

 その理由は、今季から新しく設けられた大会が影響していると考えられる。1000ポイントを稼ぐことも可能な、「T2ダイヤモンド」というシリーズ大会が新設されたのだ。このT2ダイヤモンドは、7月にマレーシア、9月に中国、そして11月にシンガポールと計3回行われる。もしも3連覇を成し遂げられれば半年弱で3000ポイントの“荒稼ぎ”ができるのだが、その間、10月には中国での女子ワールドカップが、そしてシンガポール大会直前の11月6日には国別対抗の団体戦、チームワールドカップも開催される。さらに12月には、3000ポイントが見込めるグランドファイナルも開催予定だ。つまり、まさに“体力勝負”なのである。

「石川、伊藤らに限った話ではありませんが、獲得した時期が古いために、2019年内に順次“喪失”するポイントもあるわけです。だから、どこかの大会を休んでワールドカップだけに備える……なんて悠長なことはできません。稼げるポイント数が大きな大会ばかりですから」(前出・同)

 つまり、T2ダイヤモンドが加わったことで、卓球選手のスケジュールはさらに過密化したわけだ。となれば、体力のある若い選手がどうしても有利……という見方も可能になろう。1993年生まれの石川は現在26歳。対して今春高校を卒業したばかりの「みうみまコンビ」の伊藤、平野は、共にまだ10代である。

「かりにITTFランキングで石川が国内トップから転落し、伊藤、平野より下の『国内3位』となった場合、日本卓球協会が石川を推薦しない可能性も出てくると思います」(前出・同)

 また、21歳の佐藤、芝田の猛追も考えられる。というのも、石川の卓球スタイルには“弱点”があるのだ。

「近年の卓球は、“一撃必殺”の時代に入りつつあります。勝負どころで、パワー全開の強力スマッシュを打つスタイルですね。対して石川は、それほどパワーがあるタイプではなく、むしろラリーでの撃ち合いを長く続け、タイミングを見計らって『ドライブ』を放つことを得意とする。ドライブとは、ボールを下から打って回転を与えて加速させる手法。といっても、全力で放たれるスマッシュほどのスピードは出ないのですが」(前出・テレビ局スポーツ部員)

 ドライブはスピードがスマッシュほどには出ないゆえ、絶妙なタイミングを見つけるためにおのずとラリーも長くなる、という見方も可能である。つまり石川のスタイルは、ただでさえ体力を消耗するともいえるわけだ。

 日本の女子卓球界には、こんなジンクスがある。2012年ロンドン大会の平野早矢香、2016年リオデジャネイロ大会の福原愛は、共に27歳で五輪を戦った。そしてその後、2人は一線を退いている。石川はまさに、この27歳という年齢で東京五輪を迎えることとなる。日本女子は50年ぶりの金メダルを目指すが、女王・石川にとっては、この1年のタイトスケジュールを乗り切らないことには、その東京五輪への出場さえ危うい……ということにもなりそうだ。
(文=美山和也)

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