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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

ライザップ、どん底状態に…プロ経営者・松本晃氏すら「手に負えない」と半年で逃げ出す内情

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 私は、新氏が松本氏にとっての反対勢力だった、と言っているわけではない。しかし、着任したRIZAPで「J&Jつながり」がある有力者から協力体制を取り付けるかたちは取れなかった。

 松本氏に対する社内からの反発は、さらに強いものがあった。瀬戸社長が松本氏を電光石火に招聘決定した昨年3月のRIZAPの決算数字が、未曾有の好結果となったことがあげられる。昨年5月に発表された2018年3月期のグループ売上高は1,362億円(対前年比43%増)、経常利益120億円(同25%増)と大幅な増収増益であり、株価はその時点で964円と18年の最高値をつけていた(今回の決算発表翌日5月16日の株価は245円)。

 いわばグループ挙げての好況感に沸いている状態で、社員や関係者はさぞ“ハイ”な心理にあったことだろう。

 一方、松本氏が着任する数年前から加速していたM&A路線の結果、18年9月の段階でグループ傘下の企業数は85社までに拡大していた。いわば、2週間に1社、外部企業の買収が発表されてきたのである。そんな好決算とM&Aフィーバーに水をかけたのが、外部からひとり落下傘降下してきたプロ経営者だったのだ。

 人間というものは、それまで自分が正しいと思って一生懸命やっていたことを否定されるとおもしろくないものだ。まして、その結果として好成績が出ているとすれば、それに異を唱える人物に対しては不信感を抱く。そして、それは理由のない嫌悪へとつながることがある。

 松本氏の「M&A路線凍結」提言を受けた瀬戸社長自身も、路線変更に当初は大いにためらいがあったとされている。しかし、結局新参COOの提言を受けて、18年秋に路線変更を発表した。その結果のひとつとして、財務担当とM&A担当役員が年末に解任されている。突っ走っていた組織に鉈をふるってしまった再生経営者が、既存の組織成員からは反感を持たれることは覚悟の上のことでもあったろう。

「週に1回しか出社しないのに年俸1億円だって?」

 吐き出すように話したRIZAP社内の人の言葉が、私の記憶に残っている。念のために書き添えると、松本氏のRIZAPでの報酬は開示されていないので、この金額が事実かどうかは確認できない。

 居心地の悪い会社、それが新任COO松本氏にとってのRIZAPだったと私は見ている。

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