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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

若者、風呂上がりは“ビールよりアイス”に…「エッセルスーパーカップ」、圧倒的シェアの秘密

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント
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今回のアイス好き日本一は「浜松市」

 一般家庭が「どんな品に消費したか」を探る定期調査がある。「総務省・家計調査」というものだ。

 それによれば、「1世帯当たりのアイスクリーム・シャーベット」の支出金額は、過去10年で15%増えており、特に冬場の増加率が高いという。ここでも「冬アイス」の伸びが指摘されたが、興味深いのは「都道府県庁所在地、政令指定都市別のランキング」だ。

 2011年から17年までの7年間で、金沢市(石川県)が首位になること5回、残り2回は富山市(富山県)だった。「北陸勢強し」だが、18年の調査では浜松市(静岡県)が1位で、山形市(山形県)が2位、名古屋市(愛知県)が3位。金沢市は15位に沈んだ。この要因について、地元では「冬季の大雪での外出機会減少」を指摘する声もある。

春夏向け商品でも「スイーツ」を意識

 また、最近はスイーツ市場を意識した200円前後の「プレミアムアイス」も人気だ。特にコンビニでは、新商品を試し買いする消費者も多い。アイスとしては高額だが、ケーキなどのスイーツと比較すると割安感もある。

 春夏向け商品として、3月25日には首位ブランドから「明治エッセルスーパーカップSweet’sフルーツタルト」(172ml、メーカー希望小売価格は220円+税)という層状アイスが発売された。文字どおり、スイーツを意識した商品だ。

「一番下にクリームチーズ風アイスを敷き詰め、その上にバタークッキー、ヨーグルト味のアイス、そして一番上に5種類の果実を使用したフルーツソースを乗せました」(明治)

 これはカップアイスでの訴求だが、消費者はその日の気分でバーアイス(棒のついたアイス)も食べる。バーアイスは“ながら食べ”もしやすい。

 最近の喫食シーンは「スマホを操作しながら食べることも多い」と聞く。その場合はバーアイスが選ばれやすいが、カップアイスも溶けるまでの間、ながら食べをできる。購入しやすい経済性なども考えると、しばらくアイス人気は続きそうだ。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

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