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伊調も敗北…東京五輪メダル量産確実のレスリング、代表争いで大番狂わせの大混戦!

文・写真=粟野仁雄/ジャーナリスト
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 天皇杯で優勝している入江ゆき(26)=自衛隊体育学校=と須崎のプレーオフとなるが、日本が強い伝統のクラス。「どっちが行っても世界選手権で3位に入れないことはないでしょう」と協会関係者が話す。

 登坂は天皇杯も逸しているため、五輪代表の可能性は限りなくゼロに近づいてしまった。茫然自失の登坂は表彰を待つマットでも膝をついてしまう。「本当に完敗。これが実力。辛い三年間だった。これからのことは休んで考えたい」と涙に暮れた。

 リオ五輪で自らは見事に優勝しながらも、姉のように慕ってきた吉田が4連覇を目指した決勝で敗れた時、スタンドで泣きじゃくる姿が印象的だった。吉田、登坂とともに至学館大学の栄和人前監督の指導下、力をつけた土性も「最後は絵莉さんが勝つと信じていた」と涙顔だった。

厳しい男子陣の復活

 さて、男子陣はどうか。130キロは園田新(25)=ALSOK=が、6連覇したが重いクラスは世界との差が激しい。65キロ級では昨年の世界チャンピオンのホープ乙黒拓斗(20)=山梨学院大=が樋口黎(23)=日体大助手=に敗れた。乙黒と樋口はプレーオフになる。

 60キロ級は対戦のたびに勝ち負けが入れ替わる「宿命のライバル」。日体大先輩後輩の太田忍(25)=ALSOK=と文田健一郎(23)=ミキハウス=の闘いは文田が制した。互いに激しい言葉で相手を挑発し合ってきた二人。終了直後、文田はマット上で胸を叩き、「東京のメダルは俺が取る」と叫んだ。57キロ級は本命視されながらリオ五輪代表の座を逃した元世界選手権王者の高橋侑希(25)=ALSOK=がカザフ行きを決め「家族が支えてくれた」と歓喜の涙にむせんだ。 

 1964年の東京五輪で5つの金メダルに輝き、その後も「日本のお家芸」とされたレスリング男子。しかしソウル五輪(1988年)で「金メダル紛失騒動」の小林孝至と、佐藤満が優勝した後、男子の金はロンドン五輪(2012年)での米満達弘の一つだけという「冬の時代」が続く。一方、女子はアテネ五輪(2004年)から正式種目になり、吉田、伊調、小原日登美らが金メダルなどを量産し、「レスリングといえば女子」のような状態だ。 

 実は、昨年の栄氏の解任劇の背景には、不甲斐ない男子のコーチ陣の上位に彼が据えられたことへのやっかみがある。ある協会関係者は「カザフスタンでも男子は国別枠を取るのも難しいクラスが多い」と悲観的だが、果たして男子の復権は。

(文・写真=粟野仁雄/ジャーナリスト) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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