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日本企業の優れた技術、世界市場席巻の無限の可能性…“もったいない現状”の脱却策

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 日本企業には多くの優れた技術・製品がありますが、国内市場での競争ばかりに目が向き、海外市場でのニーズをとらえることに活かされていない例が多く見られます。海外の人々はどういう状況にあり、どういうニーズがあるのか、アンテナを広げ、世界を俯瞰して見ていないと、なんとも“もったいない”経営になってしまいます。

日本企業の優れた技術、世界市場席巻の無限の可能性…もったいない現状の脱却策の画像1 訪日外国人やECサイト(インターネット通販)などの流通が、自社の優れた技術や製品を“たまたま”見つけ出してくれるのを期待するのではなく、能動的に自社の技術・製品の強みを活かして、海外でのニーズを掘り起こしていくことが肝要です。

 その一例として、中国での洗濯事情を見てみましょう。

 中国では、多くの主婦が洗濯物を「部屋干し」します。中国の都市部での大気汚染やPM2.5(微小粒子状物質)の問題がよくニュースになりますが、外気が汚れているため、外に干すと洗濯物が粉塵などでうっすら汚れてしまうからです。

 また、広州など雨の多い地域では、窓ガラスで密閉されたベランダ(日本で言うところのサンルームのような細長いスペース)が付いた集合住宅が多く、ここに洗濯物を干します。あるいは、部屋の中の窓沿いに、「部屋干し」用のレールが設置されている集合住宅も多く見られます。いずれにしても、「部屋干し」が前提になっていることが部屋のつくりからわかるでしょう(写真参照)。

日本企業の優れた技術、世界市場席巻の無限の可能性…もったいない現状の脱却策の画像2 日本企業の優れた技術、世界市場席巻の無限の可能性…もったいない現状の脱却策の画像3

 このような中国の平均的な収入レベルの家庭(集合住宅)を訪問調査すると、洗濯物が生乾きしたときの独特の臭いが部屋中に充満していることがあります。日本人からすると、すぐ気がつくレベルの臭いなのですが、現地の人々にはあまり気にならないようです。洗濯に関していろいろインタビューをしていても、部屋干しでの臭いが問題になることはほとんどありませんでした。

 これは、「部屋干し」の臭いの問題は、まだ顕在化していない「潜在ニーズ」であることを表しています。しかし、この問題に気づかせることができれば、「臭いを消したい」あるいは「いい匂いにしたい」というニーズを掘り起こすことができます。

 この市場に適した、洗濯洗剤の技術や製品はないでしょうか?

 例えば、ライオンに「部屋干しトップ」という製品があります。2001年に、生乾きのイヤなニオイを防ぐコンパクト洗剤として発売されました。その後も製品は進化を続け、臭いの元になる菌を除去する「除菌効果」が高まりました。

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