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片田珠美「精神科女医のたわごと」

担任教師、女子中学生をわいせつ目的で監禁…ペドフィリアとエロトマニーの可能性

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「Gettyimages」より

 

 6月25日、群馬県で27歳の担任教師が女子中学生を連れ去り監禁する事件が起きた。監禁容疑で逮捕された内田慎也容疑者は、「真面目と評判」だったらしい。一体なぜこんな事件を起こしたのかと首をかしげざるをえないが、次の2つの可能性が考えられる。

(1)ペドフィリア(小児性愛)

(2)エロトマニー(恋愛妄想)

 内田容疑者は「わいせつ目的でやった」と供述しているので、まず、性的に成熟していない少女を性対象とするペドフィリアの可能性が考えられる。ペドフィリアは、幼児もしくは少女にしか欲情しない真性ペドフィリアと、成人女性に相手にされなかったり、怖くて接近できなかったりして代わりに幼児や少女を性対象とする代償性ペドフィリアに大別される。

 真性ペドフィリアは、俗にロリコン(ロリータ・コンプレックス)と呼ばれるが、こうした性癖を持つ者が、幼児や少年・少女に接近しても怪しまれない職業を選択することがある(同性愛的ペドフィリアも存在し、男の子を性対象にする)。

 選ばれやすいのは教師やスポーツ指導者などで、その結果、教え子がわいせつ行為や強制性交の被害に遭うこともないわけではない。ヨーロッパでは、教会に集まる子どもたちへの聖職者による性的虐待が告発され、大問題になった。

 代償性ペドフィリアは、一般に内向的性格の男性に多いといわれている。内田容疑者が勤務し、監禁された女子生徒が通っていた私立中学の教頭によれば、内田容疑者は「非常に誠実で真面目で、勤務態度も決して悪くない先生。そういう意味では、ちょっと真面目すぎて……」ということなので、こうした性格が災いして大人の女性に声をかけることができなかったのかもしれない。

 どちらのタイプなのか、今後慎重に調べる必要があるだろう。

エロトマニー

 もう一つの可能性として考えられるのは、被害に遭った女子生徒が「自分に気がある」「自分に好意を抱いている」と、根拠もないのに内田容疑者が思い込んでいたエロトマニーである。

 エロトマニーは「愛されているという妄想錯覚」であり、さまざまな逸脱行為の根底に潜んでいる。多いのは、ストーカーが「自分に気があるはず」と思い込むケースである。たとえば、高齢の男性がスーパーのレジの女性や喫茶店のウエイトレスを待ち伏せしたり、跡をつけたりして問題になり、精神科に連れてこられた場合、「にっこり微笑んでくれたので、自分に気があると思った」「優しくしてくれたので、自分に好意を持っていると思った」などと話す。その背景には孤独感もあるのだろうが、ここまで勘違いできるのかと呆れることが少なくない。

 内田容疑者も、女子生徒が微笑んだり、いろいろ質問したりしただけで、「自分に気があるはず」と思い込んだのかもしれない。監禁するまで暴走したのは、真面目すぎて女性と交際した経験がなく、孤独だったせいではないか。

「ちょっと真面目すぎて」と周囲に思われていたのは、裏返せば性衝動を過度に抑圧していたからだろう。だからこそ、教え子を監禁するというかたちで暴発したわけで、背筋が寒くなる事件である。

(文=片田珠美/精神科医)

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